松澤千晶のインスタグラム(chiaki_matsuzawa) - 9月29日 21時09分


好きなものにはとことん盛り上がってほしいし潤ってほしい、そのために何が出来るのか常に考えては、結局は好きであり続けることしかできないと、関心を更新していこうと心がけています。

これは全くインスタ向きの話題ではないのですが、ブログのパスワードを忘れてしまいログインできず、良い感じの写真もあったので、備忘録代わりに書き残しておきます。

興味のある人だけ、またはお手洗いに長時間こもるとき等に読んでいただけましたら幸いです。

先日、あにつくという催しがあり、アニメ制作側へ向けた基調講演で、司会というよりはモデレーターのような形で参加させていただきました。

氷川竜介さんにお願いするところを松澤さんお願いします(正気か?)とのことで、触ったこともないUnityやらMayaやら、これまで自分の好きな作品には、どのくらいどのようにCGが使われていたのか等を必死に調べて臨みましたが、最終的な焦点はそこでなく、アニメーション作りが如何に集団作業であるか、ということでした。

今回は「海獣の子供」の監督 渡辺歩さん、スタジオ4℃のCGI監督 秋本賢一郎さんにお話を伺いました。

渡辺さんはドラえもんの劇場シリーズに長く携わり、自分としては99年の「のび太の結婚前夜」が印象深く、お会いできるのを楽しみにしていました。

秋本さんは、私の大好きな「ベルセルク 黄金時代篇」劇場三部作の「蝕」のシーンに深く携わられていたと伺い、壇上で余計なお話はしないよう、ベルセルクについては控え室で済ませました。 

普段からアニメ等の催しに同席する機会は多いのですが、多くは声優さんを中心としたトークになるので、今回はお客様の層が明らかに違い、穏やかな空気ながらも緊張感があり、作るとは何かを真剣に考えてゆく場となりました。


「海獣の子供」そのものに関しては様々な媒体やパンフレットで散々お話されていますが、あの原作の質感を損なわず、どう魅せてゆくか。その点に関して、今回はCGと作画の歩み寄りのバランスが大変難しく、また楽しかったとのことです。

作画に関しては、これもまた、様々な作品…ジブリ作品に長年携わり、一番わかりやすく伝わるのは「かぐや姫の物語」でしょうか(私でもそのお名前は、よく耳にする存在の)アニメーターの小西賢一さんとのお話が興味深かったです。

本作は、キャラクターの表情や動きはもちろん、魚や、波の動き一つ一つが丁寧というよりは現実以上に作られているように感じて、見ていると、その海に溺れたような恐怖と疲労を抱くほど、圧倒されるものです。

しかし、そういった描写に関して、CGを使うからといって現実に忠実にするのではなく、自分だったらこうすると小西さんから突きつけられた手描きの案を元に動きをつけていったという秋本さん。

それは、かの、波の〇〇とも呼ばれたアニメーターさんがいるように、確かに、アニメーションにおける自然描写は独特で、だからこそ訴えかけてくるものがあります。

スライドで1シーンずつ見てゆくと、あれだけリアリティを感じた魚たちが、確かに、本来の、現実的な魚の動きではなく、少しぐにゃりと、それは波の描写に関しても、実際はあり得ないコミカルな描写になっているシーンが多く、まさにそれは、見せるというよりも「感じさせる」ことの大切さを実感しました。

例えばベルセルクにおいては、手描きの作画を支えるような形でCGを使っていたようですが、あれから何年か経ったこともあり、今回に関しては、いかに上手く溶け合えたかという点が興味深く、それは「技術」の融合というよりも「感覚」の融合といった、ある種の快挙のように感じました。

とりあえず、まだご覧になっていない方は、海獣の子供を見てみてください。

この他にも、制作に携わる、志す人たちへのメッセージがあり、まずは環境を整えたい、その為にも、より良きクリエイターに育って欲しいといった監督からの切なる願いもあり、何気なくアニメを見て手を叩いている猿のような自分にとっては、全ての言葉が突き刺さりました。

今はとにかく、娯楽に関しては「推し」文化になっていて(それも大変素晴らしいのですが)、技術にお金を払わない時代になっているように感じるので、こういった技術そのものが本来の魅力なのだと、それがきちんと伝わってゆくと良いなと。

その為には、我々も目先の幸福感でなく、きちんと娯楽に対して敬意を払い続けたいと、しみじみ感じたのでした。


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2019/9/29

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