浅田信一のインスタグラム(asada_shinichi) - 8月31日 17時04分

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2002年にアメリカをレンタカーで旅行した。9.11の翌年で、まだR.E.M.もエリオット・スミスも現役で活躍していた頃。80年代から90年代にかけて僕が憧れたアメリカが残っていた時代だ。
ラスベガスで車を借りて、ひとたび砂漠に出れば、そこには映画の中でしか見たことがない世界が広がっていた。借りた車にナビはついていなかったし、当然スマホもない。ガソリンスタンドで現地の地図を買って、今日はどの街に向かおうかと、目印をつけながら走った。
砂漠を貫く高速道路には照明灯がほとんどなく、日が沈む前には宿を確保する必要があった。資金は乏しい。目に付いたモーテルに飛び込みで入り、身振り手振りで値段の交渉をして、折り合いがつけばそこで眠った。
食事はタコベルのようなテクスメクスのファストフードか街道沿いのドライブイン。いずれにしても簡素なものだ。野菜がほとんど摂れなくて、サブウェイを見つけた時はありがたかった。
時間があるとこうして度々、その時の地図やパンフレットを引っ張り出しては記憶に思いを馳せる。
グランドキャニオンの夕陽、モニュメントバレーの星空、ホワイトサンズに立ち昇る雲、バグダッドカフェの名物オジサン、不気味なサワロサボテン。全てを忘れない。

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