佐藤ノアのインスタグラム(sugar_79) - 7月3日 17時37分

毎月恒例のひと月を振り返る文です。長文苦手な人は他の投稿を楽しんで。

六月。

ツアーで地元 北海道に帰った。
空港の自動ドアを出た瞬間に吹いた冷たい風がおかえり、に感じた。

北海道に帰るとどんな短い時間でも絶対に祖父母に会いにいくと決めている。
あの頃は母に内緒で祖母からお小遣いを貰っていた。祖母が作ってくれる薄味の煮物が今でも変わらずに大好き。相変わらず綺麗な白髪の祖父はなぜかふいに手作りのストラップをくれた。

不器用な私と正反対に祖父が手先がとても器用で小学生の頃の図工の課題をやってもらった事をふと思い出した。絵は得意なのに工作だけはダメだったんだよな、本当に。
あと、祖父はとても動物が好きで犬、金魚、ハムスター、沢山飼った。小さい頃からそばにずっと動物がいた。
反面、祖母は動物を飼うのをあまりよく思っていなかったようだった。

ストラップ、よく見ると私が四歳の時まで側にいてくれたロッキーにちょっと似ていた。小さな頃の記憶だけど最後の鳴き声を思い出してしまった。食パンの耳、好きだったよなあ。

六月は一つ一つの出来事から昔の記憶がフラッシュバックする事が多かった。
それは 楽しいことも、辛かった事も。
今までの私はどこか記憶が自分の為にリセットされていた。二度、同じように辛い思いをしない為に。私が芸能活動を始める事を反対していた父方の祖父がいなくなってしまった時も私は口をポカンと開けるだけで、そっと蓋をした。
北海道に帰って一つ一つの物をじっくり見たり、向き合おうとすると色んな感情でごちゃ混ぜになってすごくすごく疲れた。
だけど悲しいや苦しいに蓋をずっとしていても、心の奥底には隠れているんだからずっと進めないままで受け入れられないままで止まってしまう。

二十歳、六月。
私はやっと 受け入れる事を覚えた。
祖母が動物を飼う事をあまり良く思っていなかったようだったのは、動物が嫌いだったからではなくて終わりが見えていたからだ。
当たり前に側にあった何かがなくなってしまうことはとてもとても怖い。
だけどいつまでも進まずにはいられない。
四歳から止まっていた色んな気持ちがやっと動き出した六月だった。

みんなの六月はどうだった？

#2018年の佐藤ノア

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