・ 「耳」 神様が優しいことに 「何が欲しい、頑張ってくれたから こっそりプレゼントしよう」と言ってくれたから 私は神様にすこぶる甘えることにした。 神様大好きです、ありがとう、大好きです。 「私の耳に録音機能を付けてください。」 言った瞬間に私は身震いした、 ずっと奥底に秘めていたのだから。 神様はほんの一瞬馬鹿げた注文しやがってという 表情をしていたがすぐにやっぱりなと言わんばかりの表情に変わり私に微笑んでくれた。 神様が目を閉じなさいと言うから目を閉じた。 神様の目の前で目を閉じることは もうあれから私は何も怖くなかった。 すると神様の両手がそっと私の耳を包んだ。 手の平が耳に当たらないくらいの柔らかさで 神様の温度だけが私の耳にゆっくり伝わってくる。 次第に意識は遠のいて耳の中だけが私の世界となった。 ゆっくりと聴こえてくるのは懐かしい音。 少し若そうなお母さんの声やハリのいいお父さんの声、 河原町の時の雨の音、車の走る音とお風呂の水が跳ねる音、 泣きたくなったピアノの音、その後救急車も通ったね。 あの人は幸せにしているだろうか。 春がやってきたブラインドの音。あなたは寝ているのに風が気持ちよさそうな顔をしていたから起こすのをやめたこと。 あなたはどう思うの。あなたが決めればいいよ。とあなたは言う。頭を撫でてくれる時に当たる布団の音。私の微かな微笑み声。 音の全ては私であり、私にとても優しかった。 私は自然と涙を流し続けていた。 愛おしくなったんだ、とても、会いたい。 わざわざ固められて言われるような言葉に 私は思い残すものがない。 - もっと特別なものだ、愛は。 もっと特別なものだ、日常は。 - 何度も思ったことがある。 思い出したい言葉や音は日常にしかないのだと。 なのになぜかその言葉や音は忘れていきやすい。 言われた瞬間に嬉しさのあまり身体を浸し過ぎているのだろう。 しまいには忘れてしまって、 たまに私自身やあなたに少しうんざりしたりする。 でも私は何も忘れていないということの全てを知った。 心は全てをぬかりなく記憶していたのだと。 神様はそれを教えてくれたのだ。 神様にはやっぱり私なんかよりも優しかった。 ゆっくりと手の平が耳から遠のいて その時間と共に静かに目を開けた。 「私の耳には何もいらないみたいです。」 私は神様に何を言おうか考える前にもうすでにそう言っていた。 頬は涙で濡れて、少し微笑んだ。 記憶の全てに包まれた余韻と共に。 神様はほんの一瞬と言わず、 その後もやっぱりなと言わんばかりに 微笑み返し続けてくれた。 日常は愛おしい、 日常が愛おしい、 本当に愛おしかった。 - 耳 - 私の耳にいくらでも 愛してると 言ってください - あなたの耳にいくらでも 愛してると 言わせてください @watashinokotobatachi #わたしのことばたち #一曲分の話

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ラブリのインスタグラム(loveli_official) - 3月6日 22時20分



「耳」

神様が優しいことに
「何が欲しい、頑張ってくれたから
こっそりプレゼントしよう」と言ってくれたから
私は神様にすこぶる甘えることにした。
神様大好きです、ありがとう、大好きです。
「私の耳に録音機能を付けてください。」
言った瞬間に私は身震いした、
ずっと奥底に秘めていたのだから。
神様はほんの一瞬馬鹿げた注文しやがってという
表情をしていたがすぐにやっぱりなと言わんばかりの表情に変わり私に微笑んでくれた。
神様が目を閉じなさいと言うから目を閉じた。
神様の目の前で目を閉じることは
もうあれから私は何も怖くなかった。
すると神様の両手がそっと私の耳を包んだ。
手の平が耳に当たらないくらいの柔らかさで
神様の温度だけが私の耳にゆっくり伝わってくる。
次第に意識は遠のいて耳の中だけが私の世界となった。
ゆっくりと聴こえてくるのは懐かしい音。
少し若そうなお母さんの声やハリのいいお父さんの声、
河原町の時の雨の音、車の走る音とお風呂の水が跳ねる音、
泣きたくなったピアノの音、その後救急車も通ったね。
あの人は幸せにしているだろうか。
春がやってきたブラインドの音。あなたは寝ているのに風が気持ちよさそうな顔をしていたから起こすのをやめたこと。
あなたはどう思うの。あなたが決めればいいよ。とあなたは言う。頭を撫でてくれる時に当たる布団の音。私の微かな微笑み声。
音の全ては私であり、私にとても優しかった。
私は自然と涙を流し続けていた。
愛おしくなったんだ、とても、会いたい。
わざわざ固められて言われるような言葉に
私は思い残すものがない。
-
もっと特別なものだ、愛は。
もっと特別なものだ、日常は。
-
何度も思ったことがある。
思い出したい言葉や音は日常にしかないのだと。
なのになぜかその言葉や音は忘れていきやすい。
言われた瞬間に嬉しさのあまり身体を浸し過ぎているのだろう。
しまいには忘れてしまって、
たまに私自身やあなたに少しうんざりしたりする。
でも私は何も忘れていないということの全てを知った。
心は全てをぬかりなく記憶していたのだと。
神様はそれを教えてくれたのだ。
神様にはやっぱり私なんかよりも優しかった。
ゆっくりと手の平が耳から遠のいて
その時間と共に静かに目を開けた。
「私の耳には何もいらないみたいです。」
私は神様に何を言おうか考える前にもうすでにそう言っていた。
頬は涙で濡れて、少し微笑んだ。
記憶の全てに包まれた余韻と共に。
神様はほんの一瞬と言わず、
その後もやっぱりなと言わんばかりに
微笑み返し続けてくれた。
日常は愛おしい、
日常が愛おしい、
本当に愛おしかった。
-

耳 -

私の耳にいくらでも
愛してると
言ってください
-
あなたの耳にいくらでも
愛してると
言わせてください

@watashinokotobatachi
#わたしのことばたち
#一曲分の話


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2018/3/6

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