山下航平さんのインスタグラム写真 - (山下航平Instagram)「『若鶏のグリル』#フィクションエッセイ  最近のファミレスは猫型(配膳)ロボットが担当しているところがある。  爽やか音楽と主に、料理を車体のトレーに乗せた猫型ロボットが人が歩く半分くらいの速度で各テーブルに料理を自動で配膳しにやってくる。技術の進化はすごい! 余談だが、猫型(配膳)ロボットはとても可愛い。  僕のここ最近のマイブームはファミレスで本を読んだり、パソコンで作業をしてみたりすることだ。  今日もいつものようにファミレスへ向かう。お昼ご飯をお家で済ませてしまっていたため、メニューを開いてもあまり食欲が湧いてこない。お昼にガッツリと食べてしまった為、カロリーの高そうな揚げ物とかは避けたいところだ。 今日は、若鶏のグリル焼きの単品(カロリーが低い!)とドリンクバーをそれぞれ注文して、猫型ロボットがやってくるまで、小説でも読んで待つことにした。  隣の席には同い年くらいのグループが4人で最近会ったことなどを話している声が小さく聞こえていた。 10分くらい小説を読んでいると、猫型ロボットが出来立ての料理を配膳しに爽やかな音楽と共にやってきた。  僕の席と隣のグループの席の間にやってきた猫型ロボットは、どちらに配膳する意思があるのかよくわからないような傾き方をした。 僕のテーブルなのか、隣のテーブルなのか。車体のトレーに乗っているのは、小さめの白い綺麗な器ひとつだけが乗っていて、なんの料理かもよくわからなかった。 猫型ロボットの背面にはおそらく座席番号であろう数字が表示されている。 「23」そんな数字を見ても自分が何番の席に座っているのかなんてわからないのだから意味がない。  先に反応したのは、隣のグループ。 「お、きたきた!」とトレーの上にある料理を確認して、テーブルに運ぶ。おそらく、メンバーの誰が何を注文したのかをお互いに把握していない様子。 運ばれる時にちらりと見えた料理の中には、おそらく僕が注文したであろう、若鶏のグリルらしき料理が見えた。  あ!!!! おそらく僕の注文だと気がついてしまったが、言い出せない。 「あ…、それ僕のです」と。  隣のテーブルでは、誰が頼んだのかを探している。 「若鶏のグリル頼んだ人いる??大葉おろし乗ってるやつ」
 自分が頼んだものを声に出されるのは、恥ずかしいのだと気がつく。 余計に「その若鶏のグリル、自分のです」と言い出しづらくなった。 「あいつ、若鶏のグリル単品で頼むくらい好きなのかな。しかも大葉おろしまで乗せちゃって。さっぱりしようとしてんじゃねえよww米も食えよww」 と思われそうで。(考えすぎ)  このまま、隣のテーブルで、居心地が悪そうに居座っている若鶏のグリルをなにも気が付かずに食べてくれるといいのにと思いながら、小説を読もうとするも、若鶏のグリルの行方で頭がいっぱいになって内容が頭に入ってこない。 もう、食べたいような、食べたくないような自分の気持ちがわからない。実際お腹もいっぱいだし、食べてくれてもいいとも思っていた。  しかし、一通りみんなが各々の注文を確認して、自分たちが頼んだものではないと気がついた隣グループが、 「すみません、注文間違えてとってしまいました!」と若鶏のグリルを僕のテーブルに渡してくれた。とても申し訳なさそうに。
それ僕のです!と僕が言えていたら、彼らはこんな申し訳なさそうな顔をしなくても済んだだろうに。
 「あ、すみません。たぶん僕の注文したやつです。すみません」 と言って受け取った。顔は爽やかに笑えていたはず。ただ、「すみません」と2回言ってしまったとまた恥ずかしくなる。  若鶏のグリルは、美味しかった。  *この物語はフィクションです。 筆者の考え、実在の人物や団体などどは関係ありません。 あくまでフィクションとして楽しんで下さい。」7月13日 20時04分 - kouhei_yamashita_official

山下航平のインスタグラム(kouhei_yamashita_official) - 7月13日 20時04分


『若鶏のグリル』#フィクションエッセイ

最近のファミレスは猫型(配膳)ロボットが担当しているところがある。

爽やか音楽と主に、料理を車体のトレーに乗せた猫型ロボットが人が歩く半分くらいの速度で各テーブルに料理を自動で配膳しにやってくる。技術の進化はすごい!
余談だが、猫型(配膳)ロボットはとても可愛い。

僕のここ最近のマイブームはファミレスで本を読んだり、パソコンで作業をしてみたりすることだ。

今日もいつものようにファミレスへ向かう。お昼ご飯をお家で済ませてしまっていたため、メニューを開いてもあまり食欲が湧いてこない。お昼にガッツリと食べてしまった為、カロリーの高そうな揚げ物とかは避けたいところだ。
今日は、若鶏のグリル焼きの単品(カロリーが低い!)とドリンクバーをそれぞれ注文して、猫型ロボットがやってくるまで、小説でも読んで待つことにした。

隣の席には同い年くらいのグループが4人で最近会ったことなどを話している声が小さく聞こえていた。
10分くらい小説を読んでいると、猫型ロボットが出来立ての料理を配膳しに爽やかな音楽と共にやってきた。

僕の席と隣のグループの席の間にやってきた猫型ロボットは、どちらに配膳する意思があるのかよくわからないような傾き方をした。
僕のテーブルなのか、隣のテーブルなのか。車体のトレーに乗っているのは、小さめの白い綺麗な器ひとつだけが乗っていて、なんの料理かもよくわからなかった。
猫型ロボットの背面にはおそらく座席番号であろう数字が表示されている。
「23」そんな数字を見ても自分が何番の席に座っているのかなんてわからないのだから意味がない。

先に反応したのは、隣のグループ。
「お、きたきた!」とトレーの上にある料理を確認して、テーブルに運ぶ。おそらく、メンバーの誰が何を注文したのかをお互いに把握していない様子。
運ばれる時にちらりと見えた料理の中には、おそらく僕が注文したであろう、若鶏のグリルらしき料理が見えた。

あ!!!!
おそらく僕の注文だと気がついてしまったが、言い出せない。
「あ…、それ僕のです」と。

隣のテーブルでは、誰が頼んだのかを探している。
「若鶏のグリル頼んだ人いる??大葉おろし乗ってるやつ」

自分が頼んだものを声に出されるのは、恥ずかしいのだと気がつく。
余計に「その若鶏のグリル、自分のです」と言い出しづらくなった。
「あいつ、若鶏のグリル単品で頼むくらい好きなのかな。しかも大葉おろしまで乗せちゃって。さっぱりしようとしてんじゃねえよww米も食えよww」
と思われそうで。(考えすぎ)

このまま、隣のテーブルで、居心地が悪そうに居座っている若鶏のグリルをなにも気が付かずに食べてくれるといいのにと思いながら、小説を読もうとするも、若鶏のグリルの行方で頭がいっぱいになって内容が頭に入ってこない。
もう、食べたいような、食べたくないような自分の気持ちがわからない。実際お腹もいっぱいだし、食べてくれてもいいとも思っていた。

しかし、一通りみんなが各々の注文を確認して、自分たちが頼んだものではないと気がついた隣グループが、
「すみません、注文間違えてとってしまいました!」と若鶏のグリルを僕のテーブルに渡してくれた。とても申し訳なさそうに。
それ僕のです!と僕が言えていたら、彼らはこんな申し訳なさそうな顔をしなくても済んだだろうに。

「あ、すみません。たぶん僕の注文したやつです。すみません」
と言って受け取った。顔は爽やかに笑えていたはず。ただ、「すみません」と2回言ってしまったとまた恥ずかしくなる。

若鶏のグリルは、美味しかった。

*この物語はフィクションです。
筆者の考え、実在の人物や団体などどは関係ありません。
あくまでフィクションとして楽しんで下さい。


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2023/7/13

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