野口健のインスタグラム(noguchiken8848) - 8月31日 22時43分


本日の産経新聞に連載が掲載されました。テーマパークは、大混雑の富士山についてです。

2023年8月31日産経新聞掲載

「大混雑の富士山 タブーに踏み込んだ地元知事」

この夏の富士山の大混雑に対して山梨、静岡両県知事が相次いで「規制」へ向けた方針を打ち出した。富士山の混雑は今に始まったわけではない。本来ならば世界遺産に登録される前に明確なルールを作るべきだった。「何を今更、慌てふためいているのか」という印象がないわけではないが、同時に思うのは、これまで踏み込めなかった「富士山の規制」に対し、両県知事が覚悟を決め、腹をくくったのだろう、ということだ。

僕は約20年前から入山料、入山規制の問題について環境省や地元自治体に、その必要性を訴えてきたが、「権限がない。8合目から上は神社の私有地だ」などと難色を示され、できない理由ばかりを示された。「富士山は金のなる山」とも言われる。確かに日本を代表する観光地で大切な観光資源だが、だからといって無法地帯では困る。

先日、富士山に登頂し、山頂の施設関係者と意見交換を行った。日本人や海外から登山目的で来る人たちのマナーはそれほど悪くない。むしろ問題を起こすことが多いのは、日本で働いている若い外国人たちだという。山頂に大集結し、軽装で野宿したり、勝手にテントを張ったり、野宿をして寒さに震え、山小屋に助けを求めたり。そういう人たちが下山するとゴミが散乱している。山頂付近の寒さを理解しないまま登ってしまう。夏でも雨にさらされれば急激に気温が下がり、命に関わる。

両県知事は富士山を取り巻く利権や混乱に対して、明確なるメッセージを発したといえる。例えば山梨は登山道に警察官を配置すると発表した。本来ならば国立公園を守るべき役割を担うのは環境省のレンジャーだが、富士山の現場で僕は一度もレンジャーの姿を見たことがない。

「富士山の規制」に関して攻防戦が始まっているのだろう。明らかに両県知事は〝タブー〟に対して踏み込んだからだ。落石事故や凍死事故など大惨事が発生する前に両県知事のリーダーシップに期待するとともに、富士山に関わる全ての人がここは一致団結すべきではないか。


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2023/8/31

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