長与千種のインスタグラム(chigusanagayo) - 2月6日 12時31分




母との再会

久々過ぎて申し訳なさと
久々だから嬉しい気持ち

そんな気持ちとは裏腹に

母は確実にもう一つの扉を
開けて違う世界に住み始めた
住人になっていた。

確実に?

いや違う?

不確実な感じとしておきたい。

母が認知症と判断されて
私は半分の怖さと
半分の現代医療科学で
所謂…進行を遅らせる薬が
あるからと頼る気持ちであった

まさか!
私の母が認知症?
いやいや
そんなはずは無い!

甘い期待は
透明衝立で仕切られた面会室に
車椅子に座り押されてくる
母の顔を見た瞬間に打ち消された。

『誰かわかるね?』

母は私の顔を見てくれるが
すぐにうつむいていてしまう。

『母ちゃん!ちぐさだよ』

この言葉を繰り返したが
母は思い出そうとしている様な表情をしては…すぐに目を閉じてしまう。

『お母!ちぐさ!!娘だよ』

何度も
何度も
繰り返して伝えたが

返事を聞く事なく

母は
眠りに入ってしまう。

不…確実。から 
…確実に認知症になった
母を感じた。

母は…眠いのだよ
だから眠る姿を見てて
あげよう。
ゆっくり
呼吸をする胸元を見ながら
見ててあげよう。

帰り際に

『母ちゃんは忘れていいよ。大丈夫!うちが覚えとるし、うちがわかってる。母ちゃんの娘で
母ちゃんの子供だから。
安心して寝てよかよ。
あとは…ご飯はできるだけたべてよ。またさ、来るけん。』

そして
車椅子を押されて
部屋に戻る姿をみながら

寂しがりやの母は
いま
寂しさの和らぐ
違う扉の部屋に向かった。

久々の再会を終えて
外に出た瞬間から
故郷の色が違う色に感じながら
車を走らせ馴染みのある
海にむかった。

寂しがりやは
どうやら
私に受け継がれたようだ。

飛行機が滑走路を走る
離陸し機内窓から見る生まれ育った 町も山も海も
一瞬にして美しいパノラマの模型の様に感じた。

また
このパノラマ町に
帰ってこよう。

そして母の子を何百回も
伝えに帰ってこよう。

認知症の母と娘の物語。

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2023/2/6

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