羽田沙織のインスタグラム(saorihada) - 10月15日 22時25分
娘は生まれるのに、破水から4日もかかった。
その長くも一瞬の4日間、私は、
これから新しい命の始まりを見つめるこの場所は、
その同じ瞬間にも命が終わりを告げる場所でもあるのだと、
命の始まりと終わりのことを、考えていた。
命が始まり終わることは、
日が昇り沈むくらいに日常なのだ、とどこかでいつもわかっている。
私の中で、
死を刹那的に捉えるのが蜷川実花さんで、
死を当たり前の日常として捉えるのが川内倫子さん。
どちらも作品は、生と死を内包している。
目の前の何の変哲もない当たり前の景色の中に、
ある時ふと、深遠な美しさを見ることがある。
それは、今を生かされている事への根源的な喜び、なのかもしれない。
大好きな写真家の星野道夫さんの言葉が
頭の中で駆け巡っていた。
「大都会の東京で電車に揺られている時、
雑踏の中で人込みにもまれている時、
ふっと北海道のヒグマが頭をかすめるのである。
ぼくが東京で暮らしている同じ瞬間に、同じ日本でヒグマが日々を生き、呼吸をしている。
…そのことがどうにも不思議でならなかった。
…それはおそらく、すべてのものに平等に同じ時間が流れている不思議さだったのだろう。
ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。
日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、
それは天と地の差ほど大きい。」
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2022/10/15