長与千種さんのインスタグラム写真 - (長与千種Instagram)「・ 深夜の短編集 ・ 《忘れられない選択》  深夜2時。  『今日も満月か…』  深夜にもかかわらず沢山の車が 行き来している。  その上に立つ私。  エンジン音が鳴り響く  なのに なんだか静かだ。  ここはとある歩道橋の上 他の人にとってはなんてことないただの歩道橋。  私にとっては-----。  『蓮ーー!』  私を呼ぶ親友の声 彼女は私の唯一の理解者【瑠奈】 サバサバしていて物事をはっきりと言う。 それゆえ敵も多い。  だけど私は瑠奈のそんな所が好きだ  瑠奈には大手企業に勤める彼氏がいる 3年かかって落としたらしい 狙った獲物は逃さないんだと、、 そんなところも瑠奈らしい。  私には恋というのが何だか分からなかった。  名前も性格も男っぽかった私は 恋愛不向きらしい…  彼氏がいたこともあるけど 本当に好きだったかと聞かれれば分からない。  いや、多分好きじゃなかったんだろう。  本当の恋?  そんなのは綺麗なおとぎ話の中だけのものだと思っていた。  少なくとも10年前は…。  10年前瑠奈に誘われて 一緒にある舞台を見に行った。  なんでも、チケットは翌日完売 やっとの思いで手に入れた有名な舞台らしい  『あー!面白かった…!あのヒロイン役の人めっちゃ綺麗で可愛かったね!!!!』  瑠奈はご機嫌だった  主人公が色んな困難に立ち向かいながらも 最後はヒロインと結ばれる。 良くあるハッピーエンドだ  恋だの愛だの分からない私にとっては 何が面白いのか…分からなかった。  『なんか食べて帰ろうか!』  2人で食事をしていると奥で賑やかにパーティーらしきものをしてる人たちがいた  良く見るとさっき見た舞台の演者さんたちが 打ち上げをしている。  『え!やば!みんなで打ち上げしてる!混ざりに行こうよ!!』  『さっき舞台見てましたー!!皆さん凄かったです!あ、良かったら混ざってもいいですか?』  私にはこうもずかずかと入っていけない。 こういうところも瑠奈の凄いところなのかも知れない  演者さんたちも呆気に取られていたが 瑠奈の押しに負けたのか心よく迎え入れてくれた。  瑠奈はもう打ち解けている。 一方、私は端の方で静かに飲んでいた。  『つまらない?舞台見てくれてたんだよね!ありがとう!』  そう声をかけてきたのは ヒロイン役だった【神谷里穂】さんだった  正直なんて言っていいか分からなかったが  『面白かったです!』  なんてありきたりな言葉を並べた。 それが里穂さんとの出会いだった。  端で輪に入れずにいた私を気にかけて 話しかけてくれたんだろう。  気を使って話すくらいなら 1人で良いのに…と思っていた。 その日の夜は 疲れていたのかぐっすり寝てしまった。  《ピロリンッ》  通知の音で目が覚めた 通知の相手はあの里穂さんだった。  え?なんで私の連絡先…  なんでも瑠奈が他の演者と仲良くなって連絡先を交換していたらしい…。  里穂さんからきたのは 昨日のお礼の連絡だった。 会話を切るタイミングが分からず 気づけば今度2人でお洒落なカフェに行く約束までしてしまった  そして約束の日。  里穂さんは黄色のバッグに白のワンピース 綺麗なロングヘアをなびかせている ブラックコーヒーが似合う いかにも女優さんって感じだ  『2人で会うってなると緊張しますね!』  なんて言いながらカフェに入り 私はブラックコーヒーを片手に先に席についた。  里穂さんが頼んだのは 見るからに甘そうなキャラメルラテ  『あー、違かった』  『え?何がですか??』  思わず声が漏れてしまっていた  『あ、いや、ブラックコーヒーとか飲むのかなって…』  『私苦いの苦手なんです…よく飲めますね』  『私甘いの苦手なんです…逆によく飲めますね』  この余りにもぎこちない会話に2人とも ふふっと笑ってしまった  『正反対ですね!』  『ですね!』  『っていうか、敬語辞めませんか?お互い気を使うし私も敬語やめるので!』  里穂さんは私の3つ歳上で25歳だった 正直歳上にタメ口で話すのは気が引けたけど お互い気を使わない事を約束に タメ口で話すようにした。  好きなものも嫌いなものも正反対だったけど ドライブ好きって事が唯一の共通点だった  『楽しかったね!次はドライブにしよう!』  里穂さんは嬉しそうに言った 里穂さんが嬉しそうだからなんだか私も嬉しかった  『うん!次はドライブ行こう!!約束!』  それから私と里穂さんは 月に1回。週に1回。と会う頻度が増えていってお互い呼び捨てで呼び合う仲にまでなった。  短編集のくせにつづく」8月13日 0時18分 - chigusanagayo

長与千種のインスタグラム(chigusanagayo) - 8月13日 00時18分



深夜の短編集

《忘れられない選択》

深夜2時。

『今日も満月か…』

深夜にもかかわらず沢山の車が
行き来している。

その上に立つ私。

エンジン音が鳴り響く

なのに
なんだか静かだ。

ここはとある歩道橋の上
他の人にとってはなんてことないただの歩道橋。

私にとっては-----。

『蓮ーー!』

私を呼ぶ親友の声
彼女は私の唯一の理解者【瑠奈】
サバサバしていて物事をはっきりと言う。
それゆえ敵も多い。

だけど私は瑠奈のそんな所が好きだ

瑠奈には大手企業に勤める彼氏がいる
3年かかって落としたらしい
狙った獲物は逃さないんだと、、
そんなところも瑠奈らしい。

私には恋というのが何だか分からなかった。

名前も性格も男っぽかった私は
恋愛不向きらしい…

彼氏がいたこともあるけど
本当に好きだったかと聞かれれば分からない。

いや、多分好きじゃなかったんだろう。

本当の恋?

そんなのは綺麗なおとぎ話の中だけのものだと思っていた。

少なくとも10年前は…。

10年前瑠奈に誘われて
一緒にある舞台を見に行った。

なんでも、チケットは翌日完売
やっとの思いで手に入れた有名な舞台らしい

『あー!面白かった…!あのヒロイン役の人めっちゃ綺麗で可愛かったね!!!!』

瑠奈はご機嫌だった

主人公が色んな困難に立ち向かいながらも
最後はヒロインと結ばれる。
良くあるハッピーエンドだ

恋だの愛だの分からない私にとっては
何が面白いのか…分からなかった。

『なんか食べて帰ろうか!』

2人で食事をしていると奥で賑やかにパーティーらしきものをしてる人たちがいた

良く見るとさっき見た舞台の演者さんたちが
打ち上げをしている。

『え!やば!みんなで打ち上げしてる!混ざりに行こうよ!!』

『さっき舞台見てましたー!!皆さん凄かったです!あ、良かったら混ざってもいいですか?』

私にはこうもずかずかと入っていけない。
こういうところも瑠奈の凄いところなのかも知れない

演者さんたちも呆気に取られていたが
瑠奈の押しに負けたのか心よく迎え入れてくれた。

瑠奈はもう打ち解けている。
一方、私は端の方で静かに飲んでいた。

『つまらない?舞台見てくれてたんだよね!ありがとう!』

そう声をかけてきたのは
ヒロイン役だった【神谷里穂】さんだった

正直なんて言っていいか分からなかったが

『面白かったです!』

なんてありきたりな言葉を並べた。
それが里穂さんとの出会いだった。

端で輪に入れずにいた私を気にかけて
話しかけてくれたんだろう。

気を使って話すくらいなら
1人で良いのに…と思っていた。
その日の夜は
疲れていたのかぐっすり寝てしまった。

《ピロリンッ》

通知の音で目が覚めた
通知の相手はあの里穂さんだった。

え?なんで私の連絡先…

なんでも瑠奈が他の演者と仲良くなって連絡先を交換していたらしい…。

里穂さんからきたのは
昨日のお礼の連絡だった。
会話を切るタイミングが分からず
気づけば今度2人でお洒落なカフェに行く約束までしてしまった

そして約束の日。

里穂さんは黄色のバッグに白のワンピース
綺麗なロングヘアをなびかせている
ブラックコーヒーが似合う
いかにも女優さんって感じだ

『2人で会うってなると緊張しますね!』

なんて言いながらカフェに入り
私はブラックコーヒーを片手に先に席についた。

里穂さんが頼んだのは
見るからに甘そうなキャラメルラテ

『あー、違かった』

『え?何がですか??』

思わず声が漏れてしまっていた

『あ、いや、ブラックコーヒーとか飲むのかなって…』

『私苦いの苦手なんです…よく飲めますね』

『私甘いの苦手なんです…逆によく飲めますね』

この余りにもぎこちない会話に2人とも
ふふっと笑ってしまった

『正反対ですね!』

『ですね!』

『っていうか、敬語辞めませんか?お互い気を使うし私も敬語やめるので!』

里穂さんは私の3つ歳上で25歳だった
正直歳上にタメ口で話すのは気が引けたけど
お互い気を使わない事を約束に
タメ口で話すようにした。

好きなものも嫌いなものも正反対だったけど
ドライブ好きって事が唯一の共通点だった

『楽しかったね!次はドライブにしよう!』

里穂さんは嬉しそうに言った
里穂さんが嬉しそうだからなんだか私も嬉しかった

『うん!次はドライブ行こう!!約束!』

それから私と里穂さんは
月に1回。週に1回。と会う頻度が増えていってお互い呼び捨てで呼び合う仲にまでなった。

短編集のくせにつづく


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

 

11

2022/8/13

長与千種を見た方におすすめの有名人