さだまさしさんのインスタグラム写真 - (さだまさしInstagram)「Mass@Mania 「まさしコラム」より全文掲載  「安倍さんを送る」  安倍晋三元総理が凶弾に斃れて数日が過ぎました。今日はご葬儀が行われています。なんとも辛く悲しく、酷い出来事でした。 人には好き嫌いがあります。安倍さんが好きという人もあれば嫌いという人だってあるでしょう。それは当たりまえです。中には安倍さんがこれこれこういうことをしたから嫌いという人があり、安倍さんがこれこれこういうことをしてくれたから好き、という現実的な理由を持つ方もあると思います。 政治家ともなれば、まして総理大臣ともなれば国が行うことの全てを「総理の名の下に」たった独りで責任を取るわけですからその重圧は凄まじいと思います。当然その評価には、想像を絶する恨みも妬みも感謝も愛も渦巻く事になります。日本で一番孤独で、日本で一番寂しくて、日本で一番苦しい立場でしょう。 もっともそれを「生き甲斐」と感じられる人でなければ、とてもとても出来ない仕事でしょう。 僕がショックを受けたのは、安倍さんにとってどうやら全く謂れのない理由で逆恨みをした(らしい)犯人が、全てネットで購入できる材料を使った「手作りの銃」で凶行を果たしたという何とも言いようのない幾重にも屈折した事件に対してでした。 同時にSNSで見られる汚い言葉遣いで人の生命を虫けらのように「言い捨てる」輩の多さに怒りを覚えますし、辟易します。SNSの使い方を我々は間違えているようです。この調子で行けば、そのうち手塚治虫先生の漫画にあったようにすぐに「コンピュータに支配される」時代が来るでしょう。今だって、もう半分は支配されていますからね。無防備にスマホを見ながら平然と赤信号の中をノロノロと渡る警戒心のない人を見れば「支配」という意味がご理解いただけるでしょうか。 この事件の警備についても様々なご意見が出ていますが、どれほど厳重にしても乗り越えてくるものは乗り越えて来ます。今回の現場でも命懸けで護ろうとした人があったはずですから、そういう人の心まで傷つけてはいけません。 逆に言えば今回の如きエアポケットのような「隙」にこそ凶行のチャンスが潜んでいることを肝に銘じるべきでしょう。 さて安倍晋三元総理と僕は個人的なお付き合いはありませんでした。お母さまの安倍洋子さんはここ10年近く毎年僕のディナーショーにお出かけ下さっています。といっても政治のお話などするわけではありませんし「お元気でいらして下さいね」と極めて普通のご挨拶をするだけでした。それはどなたのお母さまでも一緒です。 2018年に総理官邸でエクアドル大統領を迎える晩餐会があり、この直前に僕がエクアドル・ガラパゴスに伺ったというご縁もあってか、外務の方から突然に「明日パーティで歌ってくれませんか?」と驚くような依頼を受けました。お休みの日だったので、急でしたがギターを抱えて官邸に伺うと、総理がいきなり「母がいつもお世話になっております」と頭を下げられました。「お世話になっているのはこちらです」と申し上げましたが、お母さん思いの人なのだと言うことは解りました。この晩は「秋桜」を歌いました。 その後お母さんに誘われてか、一度ディナーショーにご夫妻でお出かけ下さった折に客席で握手をしたことがありましたが、ゆっくりとお話をする機会はありませんでした。 安倍さんには無数の評価があります。良いものも悪いものもありますがそういう評価とは一線を画して、僕と安倍さんの繋がりについてお話ししました。 そういうわけですから僕は安倍さんの人となりを語る立場にはありませんが、ただただお母さまの洋子さんのお気持ちを思うとき、胸が痛みます。 言いようのない切ない思いで今日一日を過ごしています。            合掌 . #安倍晋三  #さだまさし #sadamasashi #まっさマニア #まさしコラム」7月12日 19時45分 - sada_masashi

さだまさしのインスタグラム(sada_masashi) - 7月12日 19時45分


Mass@Mania
「まさしコラム」より全文掲載

「安倍さんを送る」

安倍晋三元総理が凶弾に斃れて数日が過ぎました。今日はご葬儀が行われています。なんとも辛く悲しく、酷い出来事でした。
人には好き嫌いがあります。安倍さんが好きという人もあれば嫌いという人だってあるでしょう。それは当たりまえです。中には安倍さんがこれこれこういうことをしたから嫌いという人があり、安倍さんがこれこれこういうことをしてくれたから好き、という現実的な理由を持つ方もあると思います。
政治家ともなれば、まして総理大臣ともなれば国が行うことの全てを「総理の名の下に」たった独りで責任を取るわけですからその重圧は凄まじいと思います。当然その評価には、想像を絶する恨みも妬みも感謝も愛も渦巻く事になります。日本で一番孤独で、日本で一番寂しくて、日本で一番苦しい立場でしょう。
もっともそれを「生き甲斐」と感じられる人でなければ、とてもとても出来ない仕事でしょう。
僕がショックを受けたのは、安倍さんにとってどうやら全く謂れのない理由で逆恨みをした(らしい)犯人が、全てネットで購入できる材料を使った「手作りの銃」で凶行を果たしたという何とも言いようのない幾重にも屈折した事件に対してでした。
同時にSNSで見られる汚い言葉遣いで人の生命を虫けらのように「言い捨てる」輩の多さに怒りを覚えますし、辟易します。SNSの使い方を我々は間違えているようです。この調子で行けば、そのうち手塚治虫先生の漫画にあったようにすぐに「コンピュータに支配される」時代が来るでしょう。今だって、もう半分は支配されていますからね。無防備にスマホを見ながら平然と赤信号の中をノロノロと渡る警戒心のない人を見れば「支配」という意味がご理解いただけるでしょうか。
この事件の警備についても様々なご意見が出ていますが、どれほど厳重にしても乗り越えてくるものは乗り越えて来ます。今回の現場でも命懸けで護ろうとした人があったはずですから、そういう人の心まで傷つけてはいけません。
逆に言えば今回の如きエアポケットのような「隙」にこそ凶行のチャンスが潜んでいることを肝に銘じるべきでしょう。
さて安倍晋三元総理と僕は個人的なお付き合いはありませんでした。お母さまの安倍洋子さんはここ10年近く毎年僕のディナーショーにお出かけ下さっています。といっても政治のお話などするわけではありませんし「お元気でいらして下さいね」と極めて普通のご挨拶をするだけでした。それはどなたのお母さまでも一緒です。
2018年に総理官邸でエクアドル大統領を迎える晩餐会があり、この直前に僕がエクアドル・ガラパゴスに伺ったというご縁もあってか、外務の方から突然に「明日パーティで歌ってくれませんか?」と驚くような依頼を受けました。お休みの日だったので、急でしたがギターを抱えて官邸に伺うと、総理がいきなり「母がいつもお世話になっております」と頭を下げられました。「お世話になっているのはこちらです」と申し上げましたが、お母さん思いの人なのだと言うことは解りました。この晩は「秋桜」を歌いました。
その後お母さんに誘われてか、一度ディナーショーにご夫妻でお出かけ下さった折に客席で握手をしたことがありましたが、ゆっくりとお話をする機会はありませんでした。
安倍さんには無数の評価があります。良いものも悪いものもありますがそういう評価とは一線を画して、僕と安倍さんの繋がりについてお話ししました。
そういうわけですから僕は安倍さんの人となりを語る立場にはありませんが、ただただお母さまの洋子さんのお気持ちを思うとき、胸が痛みます。
言いようのない切ない思いで今日一日を過ごしています。
           合掌
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2022/7/12

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