吉田羊のインスタグラム(yoshidayoh_official) - 11月30日 11時58分


〜その後のルーシアス〜

作:高丸えみり

ルーシアスは、走った。頭の中も体もぐわんぐわんパンクしそうでこわかった。でも走った。
泣きながら走った。
しばらく走って…だんな様の事がやっぱりどうしても気になり、そしてだんな様に会いたくなって、さっきのフィリッピの野にもどってみた。すると、そこには、偉そうにしてるオクティヴィアスとツンとすましたアントニー達に運ばれてゆくだんな様の横たわったすがたが見えた。ルーシアスはくやしくて、情けなくて…
でも少し見えた旦那様の横顔が、少し笑ってるようにそして満足気に見えたので、少しホッとした。だんな様は、幸せな最期だったのかもしれないと思えたからです。ルーシアスがこわれた土べいのかげから見ていて、するとその土べいがくずれかけて、その音にアントニーが気づき、ルーシアスの方に目をこらしたので、ルーシアスは、すごく悔しかったけど、その場から走って立ち去った。(ほんとうは、アントニーと戦いたかったけど。ルーシアスの武器と言えるようなものは、ハーモニカくらいしかなくて勝てないし、怖いしで、ハーモニカを握りしめて立ち去ったのです。)

次にルーシアスは、クライタス、ダーデニアス、ヴォラムニアスを探そうと走り 走り 走りまわりました。ですが、どんなに走っても三人の姿、たよりになる3人の姿は、暗くなってきても見つかりませんでした。(後で分かった事ですが、クライタス3人もルーシアスを探してくれていた様ですが出会えなかったのでした。おそらくルーシアスはせまいはんいをぐるぐる走り回っていただけなのかもしれません。)
あたりが真っ暗になってきた頃、ルーシアスは気づきました。もう、自分が帰るところはどこにもない、と。(ルーシアスのお父さんお母さんは昔、たたかいで死んでしまっていて、そこをだんな様が助けてくれたのです。)
そして更に、ものすごくお腹がすいている事に気づいたルーシアスは、つかれとさみしさとひもじさで道ばたにたおれ、そしてやっぱり、眠ってしまいました。
次の日の夜明け、男の人が、
「大丈夫かい。どうしたんだい?」と声をかけてくれました。その男の人はこれでも食べるといいよと、じゃがいものゆでたものをくれました。そのじゃがいものおいしかった事!!男の人は、じゃがいも農家のご主人でした。男の人のところではたらいてもいいよ、と言ってくれたので、その日からルーシアスはじゃがいも農家の見習い人になったのです。そのおうちには奥さんと、1才くらいの赤ちゃんがいて、その赤ちゃん(トートタスといいます)が、よく泣くのです。そこでルーシアスは思いつき、ハーモニカをふいてあげたのです。するとトートタスはキャッキャッと笑い出すので、奥さんもにっこり。その日から、ルーシアスは、ジャガイモ農家見習い人であり、赤ちゃんの見守り人にもなって、じゃがいも農家でお世話になりながら、一生けんめい名誉も重んじながら(重んじているつもり。)はたらいていました。
 そんな頃、アントニーが、"ブルータスの最期を知る男"として、ルーシアスを探しているらしいと聞きました。使いの者もじゃがいも農家にやってきましたが、アントニーなんかの下で働くのは、まっぴらごめんだし、戦士になるのはぜったいにいや("刺す"という行為は人生でただ一人、自分のだんな様のブルータス様だけだ。と固くルーシアスは思っていたのです。)なので、大いなるいきおいをもって断りました。
さらに、その後、ルーシアスの"ちょっと眠くなるふしぎなひびきのハーモニカえんそう"は、村のひょうばんとなり、村で、ハーモニカリサイタルをしたり、広場でハーモニカ教室をするようになりました。(ジャガイモを作るのも農家のご主人のおかげでずいぶん上手になりましたよ。)
今でも、ハーモニカをひびかすと、フッとルーシアスのそばにだんな様(ブルータス様)が来て、"にっこり"してくれているような気がします。(その後のその後はまた今度…(^o^))

おしまい


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

15,461

105

2021/11/30

吉田羊を見た方におすすめの有名人