SPURのインスタグラム(spurmagazine) - 3月9日 15時11分

「いつか王子様が迎えに来る」というのが幻想だと気づくのは何歳の時でしょうか。そして、そんなおとぎ話を通じて知らぬ間にステレオタイプな生き方が刷り込まれていることに気づくのは......。2021-'22年秋冬のDIORは、おとぎ話をモチーフに、女性たちをエンパワメントするコレクションでした。

ショーの舞台となったのは、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間。ただしそこにある鏡は、シルヴィア・ジャムブローネの演出によって、棘のある鏡で覆われます。決して自分の顔が映ることのない鏡が伝えるのは、他者の意見に惑わされることのない自分自身の意志を持つことの大切さ。そして外見を重視することからの脱却です。

自由を謳歌する服は、赤が印象的に使われていました。ムッシュ ディオールが愛した色であり、赤ずきんを思わせるフードですが、白シャツを合わせることでよりソフィスティケートされた印象に。アイコニックな「カナージュ」モチーフもショート丈のコートに施すことでフレッシュなムードに変身しました。幼い頃の思い出と成長した自分とが対話し、新たな自己を発見する。そんなプロセスをファンタジックな映像とともに伝えています。

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