沙央くらまのインスタグラム(kurama_sao) - 2月20日 09時22分

2/21(日)19:30〜
明日はいよいよ配信Liveです

父が大好きだった山荘にて亡き父を想う

シェイクスピア役者だった父。

C型肝炎により、肝臓癌がみつかり、
余命宣告をされました。

父の夢は、
「娘がシェイクスピア作品に出演すること」

ちょうど余命宣告をされたある日、
宝塚にいた私に
ロミオ&ジュリエットの乳母役が決まりました。

私にとって新生雪組のスタートに乳母。正直複雑な想いもありました。

けれど、病院のベットに横たわる痩せきった父に、乳母役になったことを伝えた瞬間、父が飛び上がるように喜んでくれました。

ロミジュリのお稽古中。
父は何度も生死を彷徨いました。

ロミオとジュリエットが恋に落ちるシーンの振り付けの日。
父の生きるか死ぬかの手術があり、
誰にも言えないまま稽古場で陽気に乳母を演じていましたが、

耐えきれず、同期のちぎちゃんを階段の踊り場に呼び出し彼女にだけ話しを聞いてもらった事は今でも忘れません。

12時間以上の手術の後、父は奇跡的に手術に成功しました。

そこからでしょうか。
私は死の世界がすぐそこにせまっている父の命のためにも、大切に精一杯、乳母を演じようと強く思ったのは、、、。

それから休みの日は父に会いに千葉まで通い、父による乳母の演技指導。

病院の粋な計らいで、海の見える広間にベッドごと運び、父に歌を歌ったり、父にマッサージをしたり。。。

一瞬しか会えないけれど、父と一緒に色んな時間を過ごしました。

そして、次回は大劇場での公演が終わるまで、しばらく千葉に会いに来れなくなると話した日の別れ際

いつも前向きだった父が初めて泣きました。

「死にたくない。綾加の乳母が観たいんだ。もっとお前の夢を一緒にみたい。」

そんな父の姿に胸が締め付けられ、二人で抱き合いわんわん泣きました。

そして私は父に
「パパは私の乳母を観れるよ。絶対に。私も頑張るから。パパも頑張って」

絞り出して出たのはそんな言葉くらいだったな。

そんな父と離れて大劇場公演が始まりました。

次へ続く→

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