ひうらさとるさんのインスタグラム写真 - (ひうらさとるInstagram)「2020年の今が全部詰まっているお話だった。私は以前から山本文緒さんの小説が大好きで（多分初めて読んだのは「ブラック・ティ」かな？）その巧みな構成力と癖になる毒味に夢中でいつも一気読みしてしまう。ほとんどのお話を読んでいるので新刊もとても楽しみにしていたのだけど、いい意味で山本さんらしくないストレートな恋愛小説で、でもそこに今私たちが抱えてる問題が、あらゆる世代、性別にわたってきめ細やかに余すところなく描かれていてその筆力に唸ってしまった…。しかも主人公の都含め全てがフレッシュで生き生きとして、今そこにいる感じがする。7年待った甲斐があるお話だった…。一見ベーシックなテーマなんだけどベテランの底力とそこに妥協しない新たな挑戦、緻密な推敲を感じて、同じお話を作る者の端くれとしてもとても刺激されました。特に私が好きだったのは都の相手役貫一のキャラ。これは惚れるわ！！めっちゃ今時のひょろっとして前髪で目が見えない、なに考えてるかわからない男の子をビジュアライズして読んでた！もー、途中貫一目線でハラハラページをめくってしまったよ…。プロローグとエピローグは書籍化で付け足されたらしいのだけど、ミステリ小説家としての山本文緒好きとしては私はアリでした。すっかり掌で転がされて良い気分で本を閉じれたし、都の最後のセリフに全てが集約されているよね…。 2020年最後に読むのに本当におすすめの一冊です！ #自転しながら公転する #山本文緒　さん #あさイチも楽しかった」12月18日 9時55分