佐藤純一のインスタグラム(junichisato__) - 7月11日 11時04分
ポツポツと揃えていたアナログシステムが一応の完成を見ました。DJ用途ではなく、完全にリスニング用です。
本体:THORENS - TD125mkII
トーンアーム:SME3009
ヘッドシェル:SME(ロゴが斜めに入っている旧モデル)
カートリッジ(針):SUMIKO Perl
フォノイコライザー:CAMBRIDGE AUDIO - SOLO SLV
アクリルダストカバーも特注で作りました。
写ってないですが、一応アンプはmarantz PM-17SA Ver.2、スピーカーはB&W CDM1SE。
針とフォノイコは、とりあえずそこそこ安くてそこそこ良さげなものを買ったので今後バージョンアップしていきたいです。
レコードプレイヤーは子どもの頃から自宅にあったし、学生時代にはビクターの普通のプレイヤーを持っていて、盤もたまに買っていましたが、ここ数年はめっきり聴かなくなっていました。
Spotifyなどストリーミングで音楽をザッピング的に聴きまくっている反動からか、1枚のアルバムをじっくり聴きたいという思いが芽生え、改めてレコードを聴く環境を整えたのでした。
ストリーミングもYouTubeも色々な音楽が大量に聴けて最高なのですが、PCで聴くにしろスマホで聴くにしろ、すぐに飛ばして別な曲を聴いたり、別なアーティストのページに行ったり、そもそも音楽聴くのやめて動画見ちゃったりして、とにかく気が散ります。(なので最近の音楽のトレンドは、イントロが極端に短かったり瞬時に心を掴めるような作りになっていたりします)
その点、レコードだと半ば強制的に1枚の盤と向き合うことになります。裏返したり止めたりもしなきゃいけないし。
ということで、音楽を聴く集中力が高まります。
子どもの教育も、玩具を大量に与えた場合と、限られた少ない玩具しか与えない場合では、明らかに後者の方が、子どもの集中力と創造性が高まるという研究結果も出ているんだとか。
玩具が沢山あると、次から次へと別の玩具で遊んで飽きっぽくなりますが、限られた少ない玩具しかないと、ひとつの玩具でじっくり工夫して遊ぶからだそうです。
良し悪しですが、大量の音楽や動画や情報に手軽に触れることは、今は当たり前に出来ていてそれがもはや前提なので、逆に物理的に制限のあるアナログ環境の価値が高まるなと思います。
そして、肝心の「音」。
素晴らしいです。
語彙力よ…という感じですが、よく言われるアナログの暖かみ。
誤解されがちですが、ある程度のスペックの環境でレコードを聴くと決してローファイではありません。
それどころか、めちゃめちゃハイファイで、空気感が伝わってくる澄みきった音です。
この空気感は、AACでもwavでも高解像度なハイレゾでも再現出来ない。
僕はデジタルの知識も、アナログの知識も、プロで音楽家をやるくらいにはそれなりに持っていて、さらに、作曲編曲だけでなくミックスもするので、音質や音自体の感覚も鍛えられていると思うのですが、それでも、久々にちゃんと聴いたレコードの音は驚きでした。
この違いは何なんでしょう。
デジタルではカットされてる周波数が〜とか、解像度が〜とか、ダイナミクスが〜みたいな話とは、まったく別次元で、そもそも根本的に何かが違う。
何というか「質量」や「実体感」を感じるんです。
そこに、音が、ある!という感じ。
ここで音が今実際に鳴らされている!という感じ。
うーん、今更ながら凄い。
そしてレコードはジャケットがデカくて良いですね。CDよりもアートワークがより楽しめます。
ちなみに僕の環境では、CDで聴くよりも、むしろ圧縮されたAACで聴く方が全然音が良いです。
それはオーディオインターフェースのDAが良いからで、CDを良い音で聴くならかなり高級なCDプレイヤーでDAする必要があるけど、うちにあるのは、3万円くらいのプレイヤーなので、それでCD聴くなら、AACを直接聴いてる方が断然音が良いわけです。
一般のユーザーも、今更高いCDプレイヤーはなかなか買わないでしょう。
CDは今や中途半端な存在になってしまいました。
というわけで、商売は抜きにして、完全に個人的にはですが、海外みたいにストリーミングでそこそこの音質で手軽に聴くのがメインで、モノとして音楽を所有したい場合や手触り感が欲しい場合はレコード、そしてハイレゾは物好きな人の為のオプション、という感じが普通になったら理にかなってて良いですね。
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2020/7/11