エリイ のインスタグラム(elliechimpom) - 7月10日 04時04分


「A Drunk Pandemic」
2019

2019年イギリス・マンチェスターのヴィクトリア駅地下にある巨大な廃墟のトンネルで展開したプロジェクトです。これはマンチェスター・インターナショナル・フェスティバル(MIF)の一環として制作・発表され、ArtReview誌(September 2019)の表紙を飾り大きく特集された、日本では未発表のプロジェクトです。
Chim↑Pomは、コレラで亡くなった人々が埋葬されたマンチェスターの地下(現在のヴィクトリア駅地下)の廃墟に「ビール工場」を設置し、オリジナルビール「A Drop of Pandemic」を醸造。コレラや酵母といったバイオ的なプロセスを可視化し、それらと下水道などの街のインフラにまつわる歴史的な関係を文脈とした、Chim↑Pomの「都市論」として展開されます。
マンチェスターは産業革命発生の地として知られますが、当時の急激な都市化による劣悪な衛生環境は、コレラの蔓延を引き起こした大きな要因であり、近代都市の上下水道の衛生改革などのインフラ整備は、コレラ対策としてなされたといいます。コレラ患者は老人や虚弱者、労働者、酒飲みなどの貧困層に偏っていたことから、裕福な層は彼らを道徳的に劣っている、すなわち「コレラ=不道徳」という考え方があり、その「不道徳な病気」を撲滅するには「不道徳な人間」の生活環境を、道徳的に向上させなければいけないーーー、衛生革命や公衆便所の設置は、そんな発想で行われたとも言われています。
19世紀のコレラ流行時、一度煮沸してから醸造されるビールは、民衆の間では「水か酒か」という議論がなされたほど、生水の代替品として考えられていました。
MIF会期中、Chim↑Pomが醸造したビール「A Drop of Pandemic」の直営店としてトレーラー型公衆便所を「Pub Pandemic」(トイレとしてもバーとしても機能する場)として開き、Chim↑Pom自らがバーテンダーを務めました。その「Pub Pandemic」のトイレから、下水道を延長し、会場内にセメント・ブリック工場「Piss Building」を設置。来場者の尿が混じった汚水(を消毒したもの)でブリックを量産、それらは最小単位の建築素材としてオーダーに応じ、マンチェスターの街路や家の修復材としても使われました。
この度ノン-サイト(Non-Site)であるギャラリーでのインスタレーションとして結実します。
#mif19 @contactmcr


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2020/7/10

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