Harper's BAZAAR Japanのインスタグラム(harpersbazaarjapan) - 6月7日 20時07分


ジーン・セバーグこそ究極のスタイルヒーロー


私たちがさすがはフレンチガールだと羨ましく思っているスタイルが、実はアメリカ人女優とイギリス人シンガーの影響を受けているという事実は、フランス人にとって不愉快なことに違いない。おてんばな小さい妖精のような美しさのパイオニア、ジーン・セバーグ(Jean Seberg)と、レイドバックしたパリジャンのボヘミアン代表ジェーン・バーキン(Jane Birkin)。ふたりが生み出し洗練させたノンシャランなルックは、数多くの人々にマネされてきた。

ジーン・セバーグはジェーン・バーキンほどよく知られていないが、2020年、悲劇的な人生を送ったこのアイオワ州出身の女優をクリステン・スチュワート(Kristen Stewart)が演じた伝記映画『セバーグ(原題)』(2019)が公開されたことで注目を集めている。セバーグが有名になったきっかけはジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)監督のアイコニックな作品『勝手にしやがれ』(1960)で、フランスのヌーヴェルヴァーグの顔としての地位を確固たるものにした。

それから数年後、映画界に幻滅した彼女は、アメリカのブラックパンサー党に関わるようになった。セバーグが支持していることを嗅ぎつけたFBIは、彼女を脅かし、嫌がらせをし、最後はフェイクニュースを捏造するキャンペーンを展開して成功し、ついに彼女は心身衰弱に陥った。彼女は夫ではなくブラックパンサー党のメンバーの子どもを妊娠したと主張する記事が広く拡散された。ストレスのために彼女は女の子を早産し、赤ちゃんは生後2日で死亡した。

子どもの死後9年たって、セバーグは自らの命を絶った。社会正義を熱心に擁護したセバーグは、スタイルヒーロー以上の存在だった。そのファッションは、彼女のモダンさと自由思想の持ち主であるという本質を映し出していた。シグネチャーはもちろん、ボーイッシュなピクシークロップと、スラウチーなボーダーシャツ、シガレットパンツ、バレエシューズの組み合わせ。オーバーサイズのシャツやチャンキーなニットのセーター、ピーターパンカラーを愛した。

『勝手にしやがれ』で、ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)のガールフレンド役を演じた彼女が着た『Herald Tribune』のロゴ入りTシャツを忘れることなんてできない。彼女の最高に刺激的なルックをまとめてみた。


2枚目 シングルのコートにコートシューズでシンプルにまとめて、パリのマーケットを歩いて。

3枚目 フローラルなシガレットパンツとクラシックな白のシャツ姿。1957年、NYの自宅アパートメントにて。

4枚目 1958年、『悲しみよこんにちは』のセットでメンズのシャツを着て。フランス人劇作家で小説家、映画の脚本家フランソワーズ・サガン(Francoise Sagan)と。

5枚目 エレガントなボートネックのトップにサンハットをかぶって、1960年に撮影。

6枚目 アレクサ・チャンよりずっと前に、ジーン・セバーグはピーターパンカラー(襟)のシャツのパイオニアだった。

7枚目 まさにフレンチスタイルの典型。ハイウエストのジーンズにスラウチーなボーダーシャツをコーデ。


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2020/6/7

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