有泉智子のインスタグラム(tomoko_ary) - 6月2日 20時14分


アメリカのミネアポリスでジョージ・フロイド氏が警察官によって殺された事件を機に、アメリカ各地で大規模な抗議運動が起こっています。報道では暴動などの過激な側面がフィーチャーされがちですが、平和的な抗議運動も多数起こっています。むしろ平和的な抗議活動のほうが大半であり中心だという現地の声をたくさん見かけます。私が見た現地動画の中には、これに乗じて略奪行為をする白人達を、黒人女性が懸命に止めている動画もありました。

Black Lives Matterと呼ばれる黒人に対する暴力や人種差別に対する抗議運動は、今に始まったことではありません。ジョージ・フロイドに限らず、2010年代にも同様の事件は何度も起こっていますし(どうか調べてみてください)、特に2014年のファーガソン事件の際の大規模な運動は、それこそその後に生まれた音楽にも多くの影響を与えています。そして表立った事件はあくまで氷山の一角に過ぎず、日常的な差別と暴力も今でも非常に根深い。Black Lives Matterという言葉が生まれたのは2013年ですが、同様の抗議運動は1950年代〜60年代の公民権運動の時代からあるものだし、奴隷制の時代からずっと繋がっている問題です。逆に言えば、こんなにも長い間、解決されることがないままに進んでいます。

人種差別は、差別される側に問題があるのではなく、差別をする側の問題です。

無知を恥じる必要はない、という言説があるけれど、少なくとも私は自分自身に対して、調べよう・学ぼうと思えば知ることができる環境があるのに無知のままの自分でいることを許容すること、あるいは、知ること、そして考えることをやめてしまうことは、とても恥ずべき行為であると考えています。

無知は、自分でも知らぬ間に、差別に加担する行為に繋がっていきます。みんなが何も知らなくても平和に幸福に共存していけるほど、残念ながら現実の社会は平和にも平等にもできていない。

解決を心から願っているけれど、本当に残念ながら、今のこの抗議運動をもってしても黒人への人種差別問題はきっと、すぐには解決しないでしょう。これだけ気が遠くなるような長い歳月の中でも愚かな現実が繰り返されていることを見るとそう思わざるを得ません。でも、だからこそ、私達は他人事だと思わず、今起こっていることも、過去に起こったことも、自ら積極的に知っていかなければならない。考えていかなければいけない。動いていかなければならない。少しずつでいいなんて言っている猶予も、本当はとっくにない。

きっと私のアカウントを読んでくださっている方々は、音楽を好きだという方、音楽に興味があるという方がほとんどだと思います。
Black Lives Matterになるとヒップホップが取り上げられることが多いけれども、今ポップシーンで耳にする音楽でブラックミュージックの影響を受けていないものはほとんどないと言っても過言ではありません。ポップスを構成している要素も、ロックンロールも、ダンスミュージックも、根っこや成り立ちを調べていけば、そこにはブラックミュージック、ブラックカルチャーから生まれたものが深く関わっています。たとえば、きっと最近あなたが好きな音楽のことを調べている時に、「ゴスペル」という言葉を目にすることも度々あるでしょう。ではゴスペルとはそもそも何なのか、その背景にはどんなことがあったのか。あるいはたとえば、ただカッコいいなと思って聴いている近年の音楽の中にも、Black Lives Matterと深く関連がある音楽もあるでしょう。そういうことから調べていくだけでも、自分が音楽を好きだと思うなら、自分が音楽によって救われたり支えられたり励まされたりしているのなら、Black Lives Matterについて知ること、考えることは無関係ではないことをきっとわかってもらえるのではないかと思います。この投稿が少しでもそのきっかけになったらと願います。

はっきりと人種差別に反対です。反対だからこそ、もっと今起きていることを知り、歴史を学び、背景を知り、考え、今この時に限らず自分にできることを探して行動していきたいと改めて強く思います。


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2020/6/2

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