石川直樹のインスタグラム(straightree8848) - 4月10日 17時38分


The museum of photography, #NaraCity.
*The exhibition was postponed.
#奈良市写真美術館 で明日からはじまる予定だった個展は、5月8日頃まで延期になりました。正直ホッとしています。
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長いタイトルは、世界中にコロナウィルスの感染が拡大するぜんぜん前、昨年末に『#ゾミア 脱国家の世界史』(#みすず書房)という本を読んで決めたものでした。原著は今から10年以上前、2009年に書かれています。
ゾミアは、東南アジアの山の民を指す新しい呼び名。国家の支配から逃れ、山地での遊動的な暮らしを選んだ人たちで、彼らと#シェルパ の生き方が重なりました。
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「国家空間における過密、健康、生態環境」という章にこんなことが書いてあります。
ゾミアの人たちは伝染病が広がると、ただちに山地に戻って平地民と距離をとり、道を遮断した。「人々は、何が病を媒介するのかは知らなかったが、分散と隔離が病の流行を遅らせることには気づいていた。山地民は一般に、平地を健康に悪い地だと見なしていた。標高1000メートル以上に住む人々のこのような発想は、低地でのマラリア感染率が高いことに由来するものか、もしくは都市の流行病や商人によって海路経由でもち運ばれる疫病に対する恐怖の表れだったのだろう」
人が集まる地に近寄らず、ソーシャルディスタンスをとる、ということを彼らは自然にやっていた。ネットもなく、今より物理的な移動が格段に難しかった時代から受け継がれてきた先人の知恵を、ぼくたちは今ようやく理解して実践している。
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最近シェルパの友人が現況を伝えるメールをくれたのですが、彼らも同じです。ゾミアもシェルパも、生き残るための術を山から導き出している。
展示のタイトルは、こうしたシェルパたちやカラコルムの村人たちと付き合う中で感じたことでもあります。
コロナ禍は一ヶ月なんかで収まる気配はありませんが、もし万が一状況が落ち着いていたら、奈良に観に来てください。会期自体も延びるようです。
告知することさえ憚られる状況ですが、粛々と作っていくしかない。
どうぞよろしくお願いします。
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#山は人間が生き延びるための根源的な叡智を引きずり出してくれる』
#入江泰吉記念奈良市写真美術館


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2020/4/10

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