植田夢月のインスタグラム(dream_moco) - 12月26日 18時42分
#tb #間があいちゃった
Freerider(フリーライダー) DAY1
11/13、いよいよゴーアップ。
まずは、2日前にホールバッグを残置した場所までユマール。
この日の核心はHollow Flake(ホローフレーク) / 5.9 R。なぜ危険度を表す形容詞「R」が付いているかというと、普通のカムでは、最後の10mほどはプロテクションが取れないから。
更に、ホローフレークに入るために、スラブをトラバースして横のクラックをダウンクライムしなくてはならないのだが、そこに5.11dが付いている。
増本さんから、某元ワールドカップチャンピオンが、昨年ここで2日間足止めをくらった話を聞いていたので、もしかしたら、ここで敗退の可能性もあるな…と思っていた。が、夫がしっかりオンサイト。
次の12ピッチ目は、私がリードする番。
前半に5.7、後半に5.10aが付いていて、Easyに登れるピッチかと思いきや、目の前には下開きのチムニー。こういうクライミングはあんまりしたことない。しかも、チムニーに入ってる間はプロテクションが取れなさそう。
よし、と意気込んで取り付いてみるが、やっぱり怖い。どうしても、ここで落ちたらどうなるかを想像してしまう。足が滑らないように全神経を集中させ、なんとか5.7の部分を突破。
上部は気持ちの良いクラックが続く。1箇所ムーブに迷って時間をかけてしまったが、なんとかこのピッチをオンサイトできた。
この日はホローフレークレッジでビバーク。初めてのウォールライフだ。寝られるスペースは少ないが、意外と快適に寝られた。
日が沈むと、どこからかネズミがやってきた。私達の荷物を漁ろうと頑張っている音を聞きながら寝た。
ヨセミテのグレーディングは辛い、とよく言われる。どっちかというと、当てにならない、という表現の方が適切だろうか。一つ確実に言えるのは、5.7以上が付いていたら油断してはならない、ということだ。
色んなブログやら記事やらを読んだが、実際、5.13クライマーでも5.7〜5.9で落ちている。5.14クライマーが5.10+で落ちてあわや大事故という出来事もあった。
逆に、この後のピッチで、5.10aで落ちた後に5.10dをオンサイト、なんてこともあった。
そもそも、花崗岩やクラック自体、人によって難しさの感じ方がかなり違うことが多い。
花崗岩はホールドが乏しいので、身長が低い人にとっては5.12に感じる5.10があってもおかしくない。同じサイズのクラックが延々と続く海外のルートでは、体のパーツが小さい日本人女性は5.12が簡単に登れて5.10で苦労する、みたいなことはよく聞く話である。
グレードが当てにならない、という状態は、クライミングにおいて最も嬉しいのはどういう時か、ということをハッキリさせてくれる。
自分の限界に挑戦して、自分に負けなかったとき。自分の殻を破れたとき。不可能に思えていたことが可能になったときだ。
やるべきことは、今目の前にあるピッチに対して、真剣に向き合うことだけだ。
うん、口で言うのは簡単なんだけどね…。
DAY2に続く。
1枚目: ホローフレークを登る夫
2枚目: 12ピッチ目を登る私
3枚目: ホローフレークのビレイ点からの景色
4枚目: ホローフレークレッジで荷物を広げている夫
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2019/12/26