平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 8月9日 20時17分
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『“今”が“過去”になっても』
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嗅ぎ慣れたシャンプーの香りで目が覚める。
寝息による振動が心地良く身体に響いてくる。
彼女の移り香を自分の身体に感じて
何度も愛し合った昨夜の記憶が蘇った。
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普段控えめな彼女は
ベッドの中では驚くほど乱れる。
いや、本人は乱れている気はないのだろう。
いつも極限まで声を抑えて
身体中を震わせながら吐息を漏らす。
彼女のそんな仕草に
男としての本能が無意識に発動され
どうにも抑えが効かなくなる。
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でも彼女はそんな自分を
いつだって優しく受け入れてくれた。
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捨てきれない小さなプライドや
身体に染み付いた劣等感や
時々湧き上がる凶暴性や
彼女への情けない程の執着を
全て柔らかい真綿のようなものにくるんで
ありのまま愛する事を許してくれる。
ありのままの自分を愛してくれる。
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今腕の中にいる彼女から感じる温もりは
やがて昨日という過去になり
時間は何の悪気もなくそれを
「思い出」にしてしまうかもしれない。
そんなどうしようもない不安がたまに頭をよぎり
この愛しい存在をどうしたらずっと
自分のものにしておけるのだろうかと感じる。
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彼女がピクリと動き、小さな声で呟いた。
「ん……起きてたの?」
寝ぼけた声が、たまらなく可愛い。
「うん、おはよう。裸のまま寝ちゃったね。風邪引かないようにしないとね」
彼女の背中に手を回して優しく抱きしめる。
「夢見てた……あなたと2人で縁側でお茶飲んでた」
「ふっ、何それ。年寄りみたい」
「うん……お爺ちゃんとお婆ちゃんになってた。ふふ、あなたはお爺ちゃんになってもすっごくカッコ良かったよ。」
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俺は……
何も言わず
更に強く彼女を抱き締めた。
泣きそうになっている顔を
見られないように。
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恋をするとどうしようもなく不安になるのは、「この恋はいつか終わる」という想いが幸せと同時に生まれてしまうから。
相手を想えば想うほど、つい頭をよぎってしまう悲しい未来。それは自分自身が勝手に生み出してしまっているに過ぎないんだと思います。
「いつまでも幸せに浸ってられると思うなよ自分」って、自分で自分を戒めることで、いざとなった時に傷つかないように無意識に保険をかけてるようにも思います。
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大事なのは過去でも未来でもなく、『今』。
それに『今』気付ける事が、私は大切なんだなって思うんです。
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2019/8/9