野口健のインスタグラム(noguchiken8848) - 8月1日 03時39分
昨日の午前6時頃(タンザニア時間)にキリマンジャロ・ウフルピークに登頂しました。0時に最終キャンプを出発。前日までの強風が止み、満点の星空! 運が味方したと出発。しかし、午前3時半頃からガスりだし、山頂方面からゴォーと不気味な音が。そして山頂へと繋がる尾根の手前から歩行困難な強風。全身が凍りつく寒さ。僕の知っているキリマンジャロとはまるで別次元。娘殿にとっては彼女が経験したヒマラヤよりも遥かに過酷なシチュエーション。ウフルピーク手前で撤退しようかと考え始めていた。しかし、超えてはいけない一線はまだ超えていない。ザックの中に予備のダウンジャケット3枚、ダウンパンツ1枚あり、それを娘殿とガイドに着せ、ムクムクに。
あまりの寒さに娘殿は睡魔との戦いで、声がけしても反応が鈍く体をパンパンと叩きながら「意識あるか!」少しタイミングが遅れ「ある」と返事。
しばらく岩陰で風を防ぎながら、体を擦りあたためる。
彼女の様子を眺めながら、気持ちが切れてしまったのなら撤退しようと。「まだやれるか」に「やる」と一言かえってきた。
ギリギリのラインでしたが、無事に登頂!その瞬間の出来事は生涯忘れる事はないでしょう。そういえる瞬間でした。本当によく頑張った。大したヤツだと素直に褒めてあげたい。
そして驚いたのは最終キャンプに戻ってきた時。開口一番「キリマンジャロにもう一度登りたい!パンチがあり過ぎたけれど、物凄く心に残った!もう一度登りたい。でも、次の山は6000Mを狙いたい!その後にキリマンジャロに帰ってきたい。そうしたらまた違う景色が見られると思う」
極寒の地から解放された瞬間に頭の中では既に次が始まっていたようです。
なぜ、人は山に登りたくなるのだろうか…
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2019/8/1