桜木梨奈のインスタグラム(rina_sakuragi) - 5月29日 23時59分

#読書記録
#裸の華 読了。
左脚の骨折で表舞台から姿を消した40代元ストリッパーの女・ノリカが「振り出しから…」と踊れぬ自身の代わりに23歳と20歳の女性ダンサー2人とバーテンダーを雇い、小さなダンスシアターをススキノで開店する… (本文より一部引用)
ストリッパーを辞めても生きていけることを、二十歳の娘が見せるひたむきさに教えられたのだった。ノリカ

人間ってなにもできないことに気づいて傷つくんだと思いました。傷つかぬよう、常になにかしら動いていろんなことを避け続けているというのが現実です。 柴崎薫

この2人の言葉が特に、抉られるように熱く、そして冷たく胸に突き刺さるのでした。

そいえばね、2~3年前初めてロック座に行った時、踊り子さん達の美しさに感動したんです。
新人~ベテランまで技量や魅せ方は夫々ですが、お客さん一人一人にとっての女神様が存在するんですね。
凄く温かくて優しい眼差しで包んでくれる踊り子さんの姿は神々しかった。作中に登場するファン達の気持ちに共感します。

私もその時、忘れられない踊り子さんが1人いてね。
クラシックバレエと日舞を長年きっちりお稽古してきてるんだろうな…と思わせる細くストイックな肉体。お世辞にも男性が好きそうなセクシーな体型とは言えなかったのだけど、フェルメールの真珠の耳飾りの少女をイメージした様な和装でのソロ演目を舞う彼女のブレない軸から流れては止まる足先、指先、媚びない流し目には色香が漂っていて、私はその表現に夢中になり、今でも忘れられないシーン。けれど、彼女の名前は忘れてしまった。儚い。

浄土みのりは、もしかしたら彼女のようなダンサーなのかもしれないな。と好き勝手に思い馳せながら本作を読むのでありました。

その後、熱海の劇場にも行ったんだけどロック座との印象の違いに驚きました。ラジカセ…もしかしたら、あそこがモデルかな？

板の上に立つ。どう立つのかは、自分次第だ。

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