今年、芥川賞を受賞した二つの作品を同時に読みました。 『ニムロッド』と『1R1分34秒』。 『ニムロッド』は、仮想通貨をテーマに、バーチャルとリアルの境目がなくなってきたこの世の中、今という過渡期を切り取った作品。 『1R1分34秒』、タイトルからも想像できる通り、ズバリ、テーマはボクシング。 プロ級ライセンスを持っていて、期待の若手としてデビューしたにも関わらず、試合に中々勝てず、今や周りから腫れ物を触るように気を使われるようになってしまった若者の物語。 二つの作品に共通することがいくつかありました。 まず、主人公が恋愛に積極的ではないけれど、それでも彼女らしい相手はいる。 今自分がやってる仕事に夢中になりたいはずなのに、なれない、とうかなろうとしない。 ”甘えられる先輩”がいる。 その人に対し、ベタベタするわけじゃないし、何なら時に悪態ついたりするけれど、付かず離れずでいる、だから”甘えられてる”んだけど。 意味もなく涙が突然出てきたり、気づいたら泣いてたりする。 いつかどこからか日々をただただ過ごすようになった。 つまり、その時その時で受け止めるべき感情を、いつからか受け流すようになった。 それは「プライド」のせいなのか、傷つくのが怖いのか。 怒りや不安といったネガティブな感情のみならず、喜びや幸せといったポジティブな感情すら忘れてしまった。 いつの時代も「芥川賞」という賞を受賞する作品にはこのような悩みが尽きず、根本の悩みってのは不変なものかもしれない。 けれど、今という時代、SNSがあり、バーチャルリアリティが当たり前になってくると、常に”誰か他人の目”が自分を見張っているような気がして、それを気にして生きなければ行けない(と思ってしまう)世の中になったのかなと、この2つの作品から感じられる。 ”他人の目”が気になるからこそ、人との距離感が難しく、一歩踏み込んで傷つくのが、怖い。 『ニムロッド』も『1R1分34秒』も、どこかで置いてきてしまった感情が後から「突然涙が溢れる」みたいな現象となって襲いかかってくる。 まさに、T字路sの『暮らしの中で』で描かれてる世界です。 蓋した感情が後から、胸ぐら掴んでくるわけです。 そう思うとT字路sの歌は、本当に純文学ですね。 そして、「芥川賞」、しいては”純文学”と呼ばれる作品、これからの時代、題材・テーマが溢れてて、もっともっと面白くなりそうだと実感しております。 #tdx #コバヤ書店 #芥川賞 #ニムロッド #上田岳弘 #1r1分34秒 #町屋良平

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小林拓一郎のインスタグラム(kobataku33) - 2月19日 00時18分


今年、芥川賞を受賞した二つの作品を同時に読みました。 『ニムロッド』と『1R1分34秒』。 『ニムロッド』は、仮想通貨をテーマに、バーチャルとリアルの境目がなくなってきたこの世の中、今という過渡期を切り取った作品。 『1R1分34秒』、タイトルからも想像できる通り、ズバリ、テーマはボクシング。

プロ級ライセンスを持っていて、期待の若手としてデビューしたにも関わらず、試合に中々勝てず、今や周りから腫れ物を触るように気を使われるようになってしまった若者の物語。

二つの作品に共通することがいくつかありました。

まず、主人公が恋愛に積極的ではないけれど、それでも彼女らしい相手はいる。

今自分がやってる仕事に夢中になりたいはずなのに、なれない、とうかなろうとしない。 ”甘えられる先輩”がいる。

その人に対し、ベタベタするわけじゃないし、何なら時に悪態ついたりするけれど、付かず離れずでいる、だから”甘えられてる”んだけど。

意味もなく涙が突然出てきたり、気づいたら泣いてたりする。

いつかどこからか日々をただただ過ごすようになった。

つまり、その時その時で受け止めるべき感情を、いつからか受け流すようになった。

それは「プライド」のせいなのか、傷つくのが怖いのか。

怒りや不安といったネガティブな感情のみならず、喜びや幸せといったポジティブな感情すら忘れてしまった。

いつの時代も「芥川賞」という賞を受賞する作品にはこのような悩みが尽きず、根本の悩みってのは不変なものかもしれない。

けれど、今という時代、SNSがあり、バーチャルリアリティが当たり前になってくると、常に”誰か他人の目”が自分を見張っているような気がして、それを気にして生きなければ行けない(と思ってしまう)世の中になったのかなと、この2つの作品から感じられる。 ”他人の目”が気になるからこそ、人との距離感が難しく、一歩踏み込んで傷つくのが、怖い。 『ニムロッド』も『1R1分34秒』も、どこかで置いてきてしまった感情が後から「突然涙が溢れる」みたいな現象となって襲いかかってくる。

まさに、T字路sの『暮らしの中で』で描かれてる世界です。

蓋した感情が後から、胸ぐら掴んでくるわけです。

そう思うとT字路sの歌は、本当に純文学ですね。

そして、「芥川賞」、しいては”純文学”と呼ばれる作品、これからの時代、題材・テーマが溢れてて、もっともっと面白くなりそうだと実感しております。

#tdx #コバヤ書店 #芥川賞 #ニムロッド #上田岳弘 #1r1分34秒 #町屋良平


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2019/2/19

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