この時期になると心が柔らかくなります… 以前ブログに書いた大切な思い出の話 2010/12/13  フェルメールの「牛乳を注ぐ女」の想い出の話  毎年12月になって街にクリスマスのイルミネーションが華やかになりあちらこちらでクリスマス・ソングが流れだすと3年前におふくろが天国へ逝った時のことを思い出す。  3年前の11月の末におふくろが突然末期の癌とわかって入院したとき、僕は大阪アカデミー合唱団とヴェルディのレクィエムのリハーサルの真っただ中で、合唱団と関西フィルとのリハーサルの合間をぬって大阪と東京の間を行き来してできる限り東京の病院に通った。クリスマスイヴには妹たち家族全員と病室に泊まることができてその翌日、25日のクリスマスの朝におふくろと2人だけになる時間ができた。 幸運にもおふくろの意識が戻ってて、僕の話に目を閉じながらうなずいていた。このとき僕は手を握りながら、「指揮者にしてくれてありがとう」とお礼を言い「ずっと愛してるからね・・!」と初めておふくろに「愛してる」と口にした。もうすぐ天国からお迎えがくると分かっていたおふくろは、閉じた目から涙を流しながらうんうんと何度もうなずいていた。 この時間は、神様が二人にくれたプレゼントだったんだなぁと思ってる。 このあと意識はほとんど戻らないまま27日に亡くなった。  僕は子供のころからいつもおふくろに怒られてた。大学生のころには、僕のあまりに自由奔放でめちゃくちゃな生活に呆れ果てて半年以上も口をきいてくれなかったこともあった。敬虔なクリスチャンでピアノも上手だったおふくろはとにかく質素で真面目だったのだ。 大人になってからもしょっちゅう怒られた。最後に怒られたのは僕が「キリスト教の典礼文になんで右側っていう言葉がよく出てくるの?」と聞いたときで、「アナタそんなことも知らずによく指揮者になれたわね!あぁ情けない・・・!」 「あぁ情けない・・!」は昔から僕を怒る時の決まり文句だった・・。 この「牛乳を注ぐ女」はおふくろが大好きだった絵で、病室の壁に十字架と一緒に飾ってあってよくベッドから眺めてた。堅実に生きる女性の美しい姿を観てたのだと思う。この絵を見てるとなんとなく「あぁ情けない・・・」という声が聞こえてくるようで心が柔らかくなる・・。 大阪のいつものホテルであの時と同じ大きなクリスマスツリーを眺めてたら、なんとなくこの絵を見たくなって(インターネットって便利ですね)ついでにこの文章を書きました。長文読んでくださってありがとうございます・・。 それではまた・・・。 藤岡 幸夫

sachio_fujiokaさん(@sachio_fujioka)が投稿した動画 -

藤岡幸夫のインスタグラム(sachio_fujioka) - 12月10日 12時49分


この時期になると心が柔らかくなります…
以前ブログに書いた大切な思い出の話

2010/12/13  フェルメールの「牛乳を注ぐ女」の想い出の話  毎年12月になって街にクリスマスのイルミネーションが華やかになりあちらこちらでクリスマス・ソングが流れだすと3年前におふくろが天国へ逝った時のことを思い出す。  3年前の11月の末におふくろが突然末期の癌とわかって入院したとき、僕は大阪アカデミー合唱団とヴェルディのレクィエムのリハーサルの真っただ中で、合唱団と関西フィルとのリハーサルの合間をぬって大阪と東京の間を行き来してできる限り東京の病院に通った。クリスマスイヴには妹たち家族全員と病室に泊まることができてその翌日、25日のクリスマスの朝におふくろと2人だけになる時間ができた。

幸運にもおふくろの意識が戻ってて、僕の話に目を閉じながらうなずいていた。このとき僕は手を握りながら、「指揮者にしてくれてありがとう」とお礼を言い「ずっと愛してるからね・・!」と初めておふくろに「愛してる」と口にした。もうすぐ天国からお迎えがくると分かっていたおふくろは、閉じた目から涙を流しながらうんうんと何度もうなずいていた。

この時間は、神様が二人にくれたプレゼントだったんだなぁと思ってる。

このあと意識はほとんど戻らないまま27日に亡くなった。  僕は子供のころからいつもおふくろに怒られてた。大学生のころには、僕のあまりに自由奔放でめちゃくちゃな生活に呆れ果てて半年以上も口をきいてくれなかったこともあった。敬虔なクリスチャンでピアノも上手だったおふくろはとにかく質素で真面目だったのだ。

大人になってからもしょっちゅう怒られた。最後に怒られたのは僕が「キリスト教の典礼文になんで右側っていう言葉がよく出てくるの?」と聞いたときで、「アナタそんなことも知らずによく指揮者になれたわね!あぁ情けない・・・!」 「あぁ情けない・・!」は昔から僕を怒る時の決まり文句だった・・。 この「牛乳を注ぐ女」はおふくろが大好きだった絵で、病室の壁に十字架と一緒に飾ってあってよくベッドから眺めてた。堅実に生きる女性の美しい姿を観てたのだと思う。この絵を見てるとなんとなく「あぁ情けない・・・」という声が聞こえてくるようで心が柔らかくなる・・。 大阪のいつものホテルであの時と同じ大きなクリスマスツリーを眺めてたら、なんとなくこの絵を見たくなって(インターネットって便利ですね)ついでにこの文章を書きました。長文読んでくださってありがとうございます・・。 それではまた・・・。 藤岡 幸夫


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2018/12/10

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