Painting of Ocean and Sky 海と空の絵。 一枚の海と空の絵。今からちょうど十三年前の一月。それは、ナエハ(長女きらかいのミドルネーム)が生まれる二カ月前。彼女をまだわたしのからだに宿していた時に、絵描いた絵。胸の奥の泉からこんこんと溢れ出す「ひかり」を絵描いた。。 やがて長女に続いて次女ヒナノエ(たまらのミドルネーム)が生まれ、ふたりの娘たちが、はじめて歩き、はじめて言葉を話し、はじめてバースデーケーキを食べたサンダルウッドの丘の家のリビングルームの壁に、いつも飾られていた絵。不思議なさだめに流されるかのように、まるで天国のようなこの131番地の家に越してからも、いつも家族の日々のまんなかにいて、わたしたちのすべてを見守った絵。壁に掛けられ、窓越しに水平線を見つめ、この島の風をたくさん深呼吸してきた絵。そう、たとえ人々に望まれても、娘たちが決して手放したくは無いと言った一枚の絵。。。。その絵が、ついに旅立ってゆくことになりました。波の向こうへ。この絵をきっと、空気のようにここちよく感じてくれる素敵なご夫婦のもとへ。なぜなら、初めてふたりの娘たちが「いいよ。」と言ったから。それはまるで、彼女たちが目には見えない大人への階段を(きっとつま先半分だけ)のぼり始めたのかのように。 うら若いアーティストだった遠い時代、おのれの創りだした作品を、自分の元から手放すということに慣れることができず躊躇していたわたしを、「どんどん送りだしていくんだよ。」と、さとしてくれたひとがいた。あのやさしい言葉が、いま、響く。そう、あのひとも、だった。「もの」をかたちどるひと。絵描く人。 十二歳と九歳。大人びてさえいないけれど、決してもう、幼過ぎるわけでもいない、でも、まだ「小さな彼女たち」と約束をした。海と空の絵を描き続けることを。ぽっかりと、絵が外された131番地の家の壁。そこにはまだぬくもりが残ってる。また、あたたかなあたらしいいのちで満たすことを。「ひかり」を、ずっと解き放っていくことを。 窓枠の外には夜の始まり色が宝石のようにまたたく。白い壁へふりかえった、わたしの背中を見つめているのは流星たち。かがやきにまた出会うまで。そう、それはほんのつかのま。夢みるま。 いま送り出す、この一枚の海と空の絵を見つめるあたらしいい視線たちが、きっと愛に深まっていく。この島の涙のようにあたたかい風を頬に感じてくれる。そう。そのことに、至上の祝福を感じながら。 2018年1月/モロカイ島にて。 山崎美弥子 #art #artwork #seascape #light #miyakoyamazaki

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山崎美弥子のインスタグラム(miyakoyamazaki) - 1月27日 14時44分


Painting of Ocean and Sky
海と空の絵。

一枚の海と空の絵。今からちょうど十三年前の一月。それは、ナエハ(長女きらかいのミドルネーム)が生まれる二カ月前。彼女をまだわたしのからだに宿していた時に、絵描いた絵。胸の奥の泉からこんこんと溢れ出す「ひかり」を絵描いた。。 やがて長女に続いて次女ヒナノエ(たまらのミドルネーム)が生まれ、ふたりの娘たちが、はじめて歩き、はじめて言葉を話し、はじめてバースデーケーキを食べたサンダルウッドの丘の家のリビングルームの壁に、いつも飾られていた絵。不思議なさだめに流されるかのように、まるで天国のようなこの131番地の家に越してからも、いつも家族の日々のまんなかにいて、わたしたちのすべてを見守った絵。壁に掛けられ、窓越しに水平線を見つめ、この島の風をたくさん深呼吸してきた絵。そう、たとえ人々に望まれても、娘たちが決して手放したくは無いと言った一枚の絵。。。。その絵が、ついに旅立ってゆくことになりました。波の向こうへ。この絵をきっと、空気のようにここちよく感じてくれる素敵なご夫婦のもとへ。なぜなら、初めてふたりの娘たちが「いいよ。」と言ったから。それはまるで、彼女たちが目には見えない大人への階段を(きっとつま先半分だけ)のぼり始めたのかのように。

うら若いアーティストだった遠い時代、おのれの創りだした作品を、自分の元から手放すということに慣れることができず躊躇していたわたしを、「どんどん送りだしていくんだよ。」と、さとしてくれたひとがいた。あのやさしい言葉が、いま、響く。そう、あのひとも、だった。「もの」をかたちどるひと。絵描く人。

十二歳と九歳。大人びてさえいないけれど、決してもう、幼過ぎるわけでもいない、でも、まだ「小さな彼女たち」と約束をした。海と空の絵を描き続けることを。ぽっかりと、絵が外された131番地の家の壁。そこにはまだぬくもりが残ってる。また、あたたかなあたらしいいのちで満たすことを。「ひかり」を、ずっと解き放っていくことを。
窓枠の外には夜の始まり色が宝石のようにまたたく。白い壁へふりかえった、わたしの背中を見つめているのは流星たち。かがやきにまた出会うまで。そう、それはほんのつかのま。夢みるま。

いま送り出す、この一枚の海と空の絵を見つめるあたらしいい視線たちが、きっと愛に深まっていく。この島の涙のようにあたたかい風を頬に感じてくれる。そう。そのことに、至上の祝福を感じながら。

2018年1月/モロカイ島にて。 山崎美弥子

#art #artwork #seascape #light #miyakoyamazaki


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2018/1/27

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