Vol.01-6【6人の女たち】鏡の中の女_大手広告代理店勤務・葵39歳 . ZARAのエレベーターを上り2Fに行くと、葵は『PLST』に立ち寄った。 『PLST』の服は、ストレッチがきいてしわになりにくく、オフィスファッションに最適だ。特に六本木ヒルズ店は、インポート物も多く、トレンドをうまく取り入れながらも上質なものが揃っているので重宝している。麻布十番で同棲を始めてからは、月に4、5回顔を出すほどで、7人いる店員とはもはや、お互いの恋愛事情まで知っている仲だ。ココを連れて行っても、葵が試着する間いつも迷惑がらずに可愛がって預かってくれるのもありがたい。 「あ、葵さん。こんにちは!サングラスお似合いですね。」 店員の中で一番古株の女の子が葵に気付き寄ってきた。葵と世間話をしながら、いつもさりげなくファッションを褒めてくれる。もちろんそれが仕事なのだと思いながらも、いつも葵がポイントにしたパーツをさらりと汲み取って的確に褒めてくれる洞察力とセンスには一目置いている。似合わないものは、否定はしないものの「こちらの方が葵さんには似合うかも」と別の角度から提案をしてくれる正直さも信頼している。 「何か春を通り越して、もう真夏みたいな陽気ね。」 葵は、爽やかなミントグリーンのシャツや、ぱきっとしたカラーが印象的な黄色のサマーニットを手に取りながら、ふと店頭のマネキンが着ているアイテムに目が止まった。 淡いサーモンピンクの柔らかなブラウス。 葵が今まで手に取ってこなかった色だが、この日は、そのブラウスのうっとりするような発色に一目惚れのように吸い込まれた。 「あのピンクのブラウス・・・見せてもらってもいい?」 店員は、もちろんです、と言うと、店内の棚をチェックした。しかし、在庫がなかったのか、すぐさまマネキンを脱がしてピンクのブラウスを葵に差し出し試着室へと促した。 身につけると、恋する少女の高揚する頬のようなサーモンピンクに、とろけるような柔らかな生地が肌に馴染み、今ままでのクールな葵の印象からガラリと変わる。 あまりの変化に恥ずかしくて試着室のカーテンから顔だけを出し、店員を手招きする。 「どう・・・?」 葵の全身を見るなり、店員は、目を輝かせた。 「女性らしい柔らかい雰囲気になりますね!今までのかっこいい雰囲気の葵さんも好きですけど、新しい葵さん、って感じで本当に素敵。」 — 新しい葵さん… − カーテンを閉め、改めて試着室で自分と向き合う。 鏡の中には、39年間で初めてみる、女性らしい柔らかい雰囲気をまとった自分がいた。ふと先ほどエスカレーターですれ違ったベビーカーの子供を見つめる母親の笑顔がフラッシュバックする。その笑顔を思い出しながら、葵は考える。 — 今年40歳の自分が、母親になれる日がやってくるだろうか?— 自分の湧き上がる欲望を認めてしまった今の葵にとっては、これからのことを考えるだけで足が怯みそうになる。きっと長い道のりになるのだろう。それでも、結果がどうであろうと、勇気を出して一歩を踏み出してみなければ、新しい自分に出会うことはできない。 —…頑張ってみようかな。— 母になりたい。そう強く心に思った鏡の中の女がにっこりと優しく微笑んでいる。その顔は、慈愛に満ちて眩しいほどに美しかった。 . #フォトノベル #6人の女たち #PLSTインスタストーリー #鏡の中の女 #葵39歳 #PLST六本木ヒルズ店 #PLST#プラステ

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PLST(プラステ)のインスタグラム(plst_official) - 5月13日 20時34分


Vol.01-6【6人の女たち】鏡の中の女_大手広告代理店勤務・葵39歳
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ZARAのエレベーターを上り2Fに行くと、葵は『PLST』に立ち寄った。
『PLST』の服は、ストレッチがきいてしわになりにくく、オフィスファッションに最適だ。特に六本木ヒルズ店は、インポート物も多く、トレンドをうまく取り入れながらも上質なものが揃っているので重宝している。麻布十番で同棲を始めてからは、月に4、5回顔を出すほどで、7人いる店員とはもはや、お互いの恋愛事情まで知っている仲だ。ココを連れて行っても、葵が試着する間いつも迷惑がらずに可愛がって預かってくれるのもありがたい。
「あ、葵さん。こんにちは!サングラスお似合いですね。」
店員の中で一番古株の女の子が葵に気付き寄ってきた。葵と世間話をしながら、いつもさりげなくファッションを褒めてくれる。もちろんそれが仕事なのだと思いながらも、いつも葵がポイントにしたパーツをさらりと汲み取って的確に褒めてくれる洞察力とセンスには一目置いている。似合わないものは、否定はしないものの「こちらの方が葵さんには似合うかも」と別の角度から提案をしてくれる正直さも信頼している。
「何か春を通り越して、もう真夏みたいな陽気ね。」
葵は、爽やかなミントグリーンのシャツや、ぱきっとしたカラーが印象的な黄色のサマーニットを手に取りながら、ふと店頭のマネキンが着ているアイテムに目が止まった。
淡いサーモンピンクの柔らかなブラウス。
葵が今まで手に取ってこなかった色だが、この日は、そのブラウスのうっとりするような発色に一目惚れのように吸い込まれた。
「あのピンクのブラウス・・・見せてもらってもいい?」
店員は、もちろんです、と言うと、店内の棚をチェックした。しかし、在庫がなかったのか、すぐさまマネキンを脱がしてピンクのブラウスを葵に差し出し試着室へと促した。
身につけると、恋する少女の高揚する頬のようなサーモンピンクに、とろけるような柔らかな生地が肌に馴染み、今ままでのクールな葵の印象からガラリと変わる。
あまりの変化に恥ずかしくて試着室のカーテンから顔だけを出し、店員を手招きする。
「どう・・・?」
葵の全身を見るなり、店員は、目を輝かせた。
「女性らしい柔らかい雰囲気になりますね!今までのかっこいい雰囲気の葵さんも好きですけど、新しい葵さん、って感じで本当に素敵。」
— 新しい葵さん… −
カーテンを閉め、改めて試着室で自分と向き合う。
鏡の中には、39年間で初めてみる、女性らしい柔らかい雰囲気をまとった自分がいた。ふと先ほどエスカレーターですれ違ったベビーカーの子供を見つめる母親の笑顔がフラッシュバックする。その笑顔を思い出しながら、葵は考える。
— 今年40歳の自分が、母親になれる日がやってくるだろうか?—
自分の湧き上がる欲望を認めてしまった今の葵にとっては、これからのことを考えるだけで足が怯みそうになる。きっと長い道のりになるのだろう。それでも、結果がどうであろうと、勇気を出して一歩を踏み出してみなければ、新しい自分に出会うことはできない。
—…頑張ってみようかな。—
母になりたい。そう強く心に思った鏡の中の女がにっこりと優しく微笑んでいる。その顔は、慈愛に満ちて眩しいほどに美しかった。
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2017/5/13

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