田中知之のインスタグラム(tomoyukitanaka) - 8月27日 12時22分

吉田健一（吉田茂元首相の息子にして英米文学者／随筆家)の短いコラムが纏められた昭和33年刊行の『作法 無作法』（宝文館）をパラパラやっていると、かつて小西康陽さんがPIZZICATO FIVEのトリビュートアルバムのタイトルに引用したり、最近はSNSでもシェアされたりもしている有名な一文に出くわした。

昭和32年4月19日に書かれたこの文章は”長崎”というタイトルが示すとおり、原爆投下から見事に復興を遂げた長崎を訪れた吉田がその想いを綴った短い文章の中の一節である。 ” 戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである。” 有名な一節以外の全文を読むことができたのも嬉しかったのだが、58年以上も前に書かれたこの文章には今だ魔法のような力が潜んでいると改めて思った。

ラジカルな発言や行動だけが反戦ではないのである。

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